研究課題/領域番号 |
23K08613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
西田 圭一郎 岡山大学, 大学病院, 教授 (80284058)
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研究分担者 |
廣畑 聡 岡山大学, 保健学域, 教授 (90332791)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 変形性関節症 / ヒアルロン酸分解酵素 / メカニカルストレス / HYBID / microRNA |
研究開始時の研究の概要 |
早期変形性関節症(OA)では、軟骨および関節液中のヒアルロン酸分解が軟骨変性に重要な役割を果たす。近年、新規ヒアルロン酸分解酵素HYBIDが治療標的として注目されているが、その発現制御については不明な点が多い。本研究では、発現調節因子として、OA病態に深く関与するメカニカルストレスが、軟骨細胞によるHYBID発現に与える影響を検討する。さらにHYBID発現制御に関与している可能性があるmicroRNA-29の制御によって、メカニカルストレスで発現が亢進したHYBIDの発現抑制が可能であることがin vivoおよびin vitroで示されれば、OAの新規治療法開発の足がかりとなる。
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研究実績の概要 |
早期変形性関節症(OA)では、軟骨および関節液中のヒアルロン酸分解が軟骨変性に重要な役割を果たす。ヒアルロン酸の分解および関節液中のヒアルロン酸の低分子化は早期OA進行の重要な初期病態であり、軟骨基質の保水性と粘弾性を減少させ、コラーゲン鎖への機械的刺激に対する保護作用を減弱させることで軟骨基質破壊を促進させる。近年、新規ヒアルロン酸分解酵素HYBIDが治療標的として注目されているが、その発現制御については不明な点が多い。また、HYBIDの発現を抑制することでOAの軟骨変性が抑制できるかどうか、またその具体的な抑制法も未解決である。 本年度は、発現調節因子として、OA病態に深く関与するメカニカルストレスが、軟骨細胞によるHYBID発現に与える影響を検討した。 まず、患者から得られたOA軟骨組織でのHYBIDの局在を免疫組織学的に評価した。次いで、正常ヒト軟骨細胞(NHAC; normal human arthritic chondrocyte)をシリコンチャンバー上で培養し、細胞伸展装置(ST-140)を用いて周期的伸展刺激(CTS; cyclic tensile strain)を加え、HYBIDのほか軟骨における蛋白分解酵素であるMMP-13,ADAMTS-4,5のmRNA発現をRT-PCR法で評価した。 OA軟骨組織における免疫染色では、変性したOA軟骨細胞はHYBIDを発現していた。NHACに対して、0.5Hz,8%伸展,12時間負荷の条件でCTSをかけた後、48時間後に回収した細胞でcontrol群に比べてHYBIDの発現亢進を認めた。同条件において、蛋白分解酵素であるMMP-13やADAMTS-5の発現の亢進も認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
OA軟骨組織におけるHYBIDの発現を確認した。また、力学的負荷によりin vitroで軟骨細胞がHYBIDを発現することを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は正常ヒト軟骨細胞(NHAC) にIL-1βを投与することでHYBIDの発現上昇を確認する。さらに、CTSによる力学的負荷およびIL-1βによる刺激後に、アンチセンス阻害剤(miRcury LNA microRNA Inhibitor, タカラバイオ)を用いたmiRNA阻害あるいはmiR-29 mimicを用いてmiRNA-29の制御が転写因子、蛋白分解酵素発現に与える影響を確認する。miR-29 mimicを投与することでCEMIPの発現を抑制できるかを検討する。最終年度にはラット実験的OAモデルに対するmiR-29のHYBID発現抑制効果の検討を行う。
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