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Scx発現細胞を標的としたACL再建術後移植腱の早期再靭帯化についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K08614
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56020:整形外科学関連
研究機関熊本大学

研究代表者

舛田 哲朗  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (20794530)

研究分担者 徳永 琢也  熊本大学, 病院, 特任助教 (60759520)
宮本 健史  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70383768)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード前十字靭帯再靭帯化 / 前十字靭帯 / Scx陽性細胞 / 再靭帯化
研究開始時の研究の概要

膝前十字靭帯(ACL)再建術の臨床成績は向上しているが, 移植腱の力学的強度の回復に長期間を要するなど課題が残っている。近年発生過程において, 前十字靱帯は Scleraxis(Scx) とSRY-box containing gene 9共陽性細胞から構築されることが報告され,Scx陽性細胞はTGF-bの制御を受け間葉系幹細胞より分化するとされている。本研究では,ACL再建術後の移植腱におけるTGF-bの腱由来幹細胞およびScx発現細胞への作用と移植腱の力学的強度回復促進効果を明らかにすることを目的とし,腱前駆細胞を標的とした新たな移植腱再靭帯化促進治療法の確立につながるものと考えられる。

研究実績の概要

細胞系譜追跡の手法を用いた解析によって、マウスの前十字靭帯(ACL)発生過程中にScleraxis(Scx) とSRY-box containing gene 9を共発現する細胞がみられることが明らかとなっている。我々はScxGFP ラットを使用したラットACL再建モデルにおいて,術後移植腱内にScx発現細胞認め,ACL切離モデルでは遺残組織内にScx発現細胞が経時的に増加することを確認した。
本研究の目的は,前十字靭帯再建術においてScx発現細胞への分化が報告されているCD90陽性細胞である腱由来幹細胞の関与を解析・確認することである。
当該年度においては、ラットのACLを切離し、切離後2日,1週,2週,4週に膝組織を採取した。ACL遺残組織内のCD90とScxの発現をRT-PCRおよび組織学的に評価した。CD-90の発現はRT-PCRでは切離後増加し,切離後1週に最大値となりその後低下がみられた。組織学的評価でも同様の結果であった。Scxの発現はRT-PCRでは切離前と比較し切離後増加し,切離後4週に最大値となった。組織学的評価では切離後2~4週でScx発現細胞数が最も多く、その後低下がみられた。ScxGFP遺伝子改変ラットを用いた遺残組織を温存したACL再建モデルにおいて, 術後4週に組織学的評価をおこなったところ,再建靭帯内にScx発現細胞が認められた。
以上の結果より,遺残組織を温存したACL再建術後の移植腱再靭帯化の過程において,Scx発現細胞よりも早期にCD90陽性細胞の存在が確認された。本研究を継続することで移植腱再靭帯化の過程の解明につながると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ScxGFP遺伝子改変ラットの繁殖が遅れており,予定の標本数が達成できていないため,当初の予定よりやや遅れていると判断した。しかし,標本数以外の問題はなく,現在ラットの繁殖も安定してきていることから,次年度の解析は予定通り進めることができると考えられる。

今後の研究の推進方策

前年度と同様のラットACL再建モデルを用いて,移植腱再靭帯化過程におけるCD90陽性細胞の分化能および移植腱の力学的強度を確認する。ACL切離後遺残組織を採取し,CD90陽性細胞をFlow CytometryにてFluorescence assisted cell sortingを行う。単離した細胞を培養し,培養時にTGF-b1を投与し,Scx,Collagen type 1, Tenomodulinの発現をRT-PCR,免疫染色で確認する予定である。また,同方法で単離したCD90陽性細胞にTGF-b1を投与し培養を行った後,ラットACL再建モデル時に関節内に移植する。術後4,6,8週に膝組織を採取し,組織学的評価と張力測定器用いて引っ張り破断試験を行う予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Remnant tissue enhances early postoperative biomechanical strength and infiltration of Scleraxis-positive cells within the grafted tendon in a rat anterior cruciate ligament reconstruction model2023

    • 著者名/発表者名
      Kawakami Junki, Hisanaga Satoshi ,Yoshimoto Yuki (他11名) Okamoto Nobukazu、Masuda Tetsuro、Miyamoto Takeshi
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 18 号: 11 ページ: 0293944-0293944

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0293944

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 前十字靭帯再建術における遺残組織中のScleraxis発現細胞の早期力学強度向上への関与2023

    • 著者名/発表者名
      河上 純輝
    • 学会等名
      第38回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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