研究課題/領域番号 |
23K08633
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
徳永 琢也 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (60759520)
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研究分担者 |
唐杉 樹 熊本大学, 病院, 講師 (80706482)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | rotator cuff / tendon-to-bone healing / scleraxis / sox9 / PTH / PTHrP / rotator cuff repair / progenitor |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではScxGFP遺伝子改変ラットの腱板縫合モデルを用いて顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、副甲状腺ホルモン(PTH)、および副甲状腺ホルモン関連タンパク(PTHrP)の全身投与が腱板修復過程におけるScx+/Sox9+細胞動員に及ぼす影響と、修復部の組織所見および力学強度への影響を明らかにしその修復への効果を検証することで新たな修復促進治療の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
腱板修復術後の再断裂はまれではなく臨床上の解決すべき課題である。申請者らはこれまでラットやウサギなどの動物モデルを用いた研究を行い、FGF-2などの成長因子の腱板修復促進効果について報告してきたが、未だに強度に優れた線維軟骨層から構成された正常構造の再生は達成されていない。近年、発生過程で転写因子のScleraxis(Scx)とSRY-box 9(Sox9)を共発現し、腱付着部を形成する前駆細胞 (Scx+/Sox9+細胞)が同定された。申請者らはこのScx+/Sox9+細胞に着目しScxGFP遺伝子改変(Tg)マウスモデルを用いた解析によって生後の腱板付着部の成熟や修復過程においてもScx+/Sox9+細胞を介した成熟・修復機構が備わっている可能性を報告した。さらに、ScxGFP Tgラットの腱板縫合モデルへの顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の術後5日間の皮下注射により腱板修復部のScx+/Sox9+細胞が増加し修復部の力学強度が上昇することを確認し、Scx+/Sox9+細胞の動員の増加が修復促進につながる可能性が示唆された。本研究ではラット腱板修復モデルを用いて、G-CSFや骨形成促進作用を持つ副甲状腺ホルモン(PTH)と副甲状腺ホルモン関連タンパク(PTHrP)の皮下注射のScx+/Sox9+細胞動員への影響とその修復促進効果を明らかにするために、組織学的評価と力学試験を予定している。本年度は野生型ラットのPTHrP投与モデルを作製し術後6週の力学試験を行いPTHrP投与群で対照群と比較し最大破断強度が上昇することを確認した。引き続きScxGFP TgラットへのPTHおよびPTHrP投与モデルの作製および標本数の増加を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラットの飼育、繁殖スペースのキャパシティおよび同時遂行中の別研究計画へのScxGFP Tgラットの配分により組織学的評価用のScxGFP Tgラットモデル作製数が当初の予定に達しなかったためやや遅れていると判断した。本研究への配分を優先し対応する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画では薬剤(G-CSF、PTH、PTHrP)の投与は術前の5日間皮下注射投与の予定であったが、G-CSFの術前投与と術後投与の予備実験において術後投与の方が力学的な修復促進効果が高かったため、薬剤は術後5日間の皮下注射投与に変更し今後の計画を推進する予定である。本年度は力学試験用のモデル作製を進めると共にScxGFP Tgラットモデルに対する各薬剤投与モデルの作製および組織学的な解析を進める予定である。
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