研究課題/領域番号 |
23K08647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中村 順一 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (80507335)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 股関節 / 健康寿命 / 人工関節 / 四肢機能再建学 |
研究開始時の研究の概要 |
歩くということは健康寿命に関わる。股関節は人体最大の荷重関節であり、歩行に重要な役割を果たす。申請者は小柄な日本人女性のための人工股関節「ミルフィー」を世界で初めて開発した。次世代型純国産人工股関節の革新的研究により、生涯歩き続けられる社会を実現し日本国民の健康寿命を延伸することが本研究の目的である。方法の概略は、小型化、表面加工の最適化、手術支援ツール、成績向上、可視化の5つである。人工股関節の研究開発は、国産自給率を高めることによりサプライチェーンを安定化させるだけでなく、日本人と体格の近いアジアの人々にも恩恵をもたらす。
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研究実績の概要 |
研究1.人工股関節の小型化について、スモールサイズの「ミルフィー」は、医療機器承認に要求される強度試験( ISO7206-4 とISO7206-6)をクリアし、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の承認を得て実用化に成功した。令和6年3月から社会実装されている。 研究2.表面加工の最適化については、手術後の感染症のために抜去した、ヒト検体での摘出インプラントにおける金属表面への骨新生を認め、症例報告した。 研究3に関して、研究3-1.携帯型手術台「ルキュア」の安全装置については、手術補助台をベルトで固定する機構を発明し特許を出願中である。研究3-2.最小侵襲手術に適した手術支援ツールの開発については、第二世代の手術器械を設計し、金属製の試作品を製作中である。研究3-3.術前術後の三次元シミュレーションについては、CTデータから健常側の股関節の可動域と人工股関節側の可動域を予測し、脚長差とオフセット長差を維持しつつ健常側と同等の可動域を実現するパラメーターに関して学会発表を行い、英語論文を作成中である。術後骨とインプラントの接触面積は従来の分類法の課題を解決した修正分類を考案し、「ミルフィー」とその他の機種で比較した学会発表を行い、英語論文を作成中である。 研究4-1.手術成績の検証については、大腿骨頭壊死症の診断から手術までの期間が中央値9ヵ月であることを英語論文で公表した(BMJ Open 2024)。携帯型手術台「ルキュア」を用いた仰臥位前方法による人工股関節置換術の5年成績を英語論文に投稿中である。また、人工股関節置換術の脱臼率とリスク因子の解析について学会発表を行い、英語論文を作成中である。 研究5は、MRIにより股関節伸展・外旋位で大腿神経と血管束位置が外側に偏位する動態を可視化し、英語論文で公表した(BMC Musculoskelet Disord. 2023)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定した研究は順調に行なえており、それらの結果は英語論文にまとめられているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究1は目標を達成した。有限要素解析と強度試験の結果を英語論文で公表する。 研究2は症例報告を英語論文で公表する。 研究3-1は目標を達成した。研究3-2は試作品の検証を行い、医療機器申請を行う。研究3-3は得られた結果を英語論文で公表し、さらに発展させる。 研究4-1はサブ解析をまとめる。研究4-2は電子ポケット線量計を購入し、手術中の被曝線量を計測する。 研究5はMRIとその他のモダリティの比較を行う。
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