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高精度動態・力学解析による股関節疾患病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K08654
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56020:整形外科学関連
研究機関九州大学

研究代表者

中島 康晴  九州大学, 医学研究院, 教授 (10304784)

研究分担者 濱井 敏  九州大学, 医学研究院, 准教授 (90643742)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード動態解析 / 股関節 / 変形性股関節症 / 人工股関節 / イメージマッチング
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は生体股関節および人工股関節の3次元動態を高精度で再現・可視化し、股関節障害に直結する関節動態を明らかにすることである。さらに、その動作時における股関節応力分布を定量化し、生体力学環境を解明することを目指す。これまでの病態研究は形態研究が中心であり、動態解析・力学的解析と股関節形態を有機的に結びつけた研究は少ない。本研究では、イメージマッチング法を用いて股関節動態を高精度に解析することが特色である。また、動態解析に留まらず、その解析で明らかとなった「障害に直結する股関節動作」時の股関節内応力分布を明らかとすることは意義深い。

研究実績の概要

スポーツ動作時(自転車やテニス、ゴルフなど)、自動車への乗り降り、しゃがみ姿勢からの起立(スクワット)などの動作をフラットパネルディテクターで連続X線撮影し、CTより得られた投影像とマッチングさせ、画像相関による動態解析を行った(イメージマッチング)。加えて、ポイントクラスター法を用いて全身の動作も併せて解析して、数編の論文として報告した。
人工股関節置換術前後において座位時の屈曲角は術後に有意な増加を認めた。立ち上がり動作において骨盤は後傾位から起立に伴い徐々に前傾し、その後、再度後傾しながら立位に至った。股関節は起立動作中に最大屈曲位となり、術後は最大屈曲角の有意な増加を認めた。骨盤傾斜は術前、屈曲制限のために後傾してが、制限の取れた術後には有意に前傾し、また骨盤最大前傾角も有意に増加した。すなわち屈曲の改善に伴い、骨盤後傾の程度が軽減した結果となった。
また、Finite Element Analysisによる力学的解析では臼蓋形成不全例では立位でより前方に荷重が集中することが明らかとなった。イメージマッチング法により、過去には解析困難であった深屈曲や捻りを含む様々な動作中の骨盤と大腿骨の協調運動を高精度で詳細に解析することが可能であった。本法は今後、股関節疾患の病的kinematicsを評価する際にも有用であると考えられた。また、力学解析を加えることにより動態と荷重集中の関連も明らかになりつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

従来から蓄積されていた研究成果およびこの1年のデータの蓄積によって、すでにいくつかの論文発表を行うことができた。
スポーツ動作時(自転車やテニス、ゴルフなど)、自動車への乗り降り、しゃがみ姿勢からの起立(スクワット)などの動作、人工股関節置換術前後において詳細な解析が進行中である。また、Finite Element Analysisによる力学的解析では臼蓋形成不全例では立位でより前方に荷重が集中することが明らかとなった。今後、股関節疾患の病的kinematicsを評価する際にも有用であると考えられた。また、力学解析を加えることにより動態と荷重集中の関連も明らかになりつつある。

今後の研究の推進方策

本研究では1.全身の動作解析、2.局所の解析、3.力学解析という3方向から推進していく方策である。1.全身の解析にはポイントクラスター法を用いる。本法は精度は落ちるものの、広く全身の動きをとらえることができるのが利点である。2.局所の解析には高い精度が必要であり、イメージマッチング法を用いることで精度の高い解析が可能となる。また、力学解析を加えることにより動態と力学環境の関連も明らかにしていきたい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Predictors of physical activity recovery after total hip arthroplasty: a prospective observational study2023

    • 著者名/発表者名
      Harada Satoru、Hamai Satoshi、Shiomoto Kyohei、Kawahara Shinya、Hara Daisuke、Harada Tetsunari、Nakashima Yasuharu
    • 雑誌名

      International Orthopaedics

      巻: 48 号: 3 ページ: 753-760

    • DOI

      10.1007/s00264-023-06022-2

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Contralateral Hip Abductor Muscle Strength Associated with Comfort of Getting into and out of the Car after Total Hip Arthroplasty2023

    • 著者名/発表者名
      Harada Tetsunari、Hamai Satoshi、Hara Daisuke、Fujita Tsutomu、Fujiyoshi Daisuke、Kawahara Shinya、Yamaguchi Ryosuke、Kawaguchi Kenichi、Nakashima Yasuharu
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Medicine

      巻: 12 号: 17 ページ: 5515-5515

    • DOI

      10.3390/jcm12175515

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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