研究課題/領域番号 |
23K08658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
手塚 太郎 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (70748516)
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研究分担者 |
崔 賢民 横浜市立大学, 医学部, 講師 (20760888)
川上 英良 国立研究開発法人理化学研究所, 情報統合本部, チームリーダー (30725338)
稲葉 裕 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40336574)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 人工股関節全置換術 / 静脈血栓塞栓症 / 人工知能 / 予測 |
研究開始時の研究の概要 |
THA術後合併症の中で致死的となりうるVTE発生予測を術前、術中、術後因子からAIを用いて予測アルゴリズムを構築を目指す。特にAIは人間の認知機能を越えて因子同士の交絡を考慮した解析が可能であり、得られた結果をもとにVTE発生予想アプリケーションの作成を目指する。さらにアプリケーションを用いて実際にVTEの発生率を予測し、実臨床における精度を検証する。また発生率が高い群においては選択的に抗凝固薬を使用し、VTE発生率の低い群との発生率の差、出血などの有害事象の発生頻度を検討する。
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研究実績の概要 |
脈血栓塞栓症(VTE)は人工股関節全置換術(THA)後の重篤な合併症だが、その発生を正確に予想することは困難である。本研究では既往歴を含めた患者基本情報、術前後の血液検査結果から人工知能(AI)を用いてTHA術後VTE発生予測モデルを構築を目指す
対象はこれまでに収集した人工股関節全置換術を施行した500例の解析であり。目的変数を術後1週での膝窩より近位の深部静脈血栓および肺血栓塞栓症の新たな発生とした。説明変数は年齢、性別、VTEを含んだ既往歴、抗凝固薬を含んだ内服歴、術後の薬物的抗凝固薬投与の有無、術後前、1日後の凝固系検査を含めた血液生化学検査とし、Random Forest(RF)を用いて予測モデルを作成し、変数重要度を算出し、さらに決定木を用いてVTEの予測モデルを構築した。対象全体をUniform Manifold Approximation and Projection(UMAP)を用いてクラスタリングを行った。 500例中術後VTEは全体の56例(11%)に認め、大腿深部静脈血栓(DVT)および肺静脈血栓(PE)29例(5.8%)に認めた。目的変数を大腿DVTおよびPEとするとAUCは0.76まで上昇した。RFを用いた変数重要度は術後1日のDダイマー、可溶性フィブリン、plasminogen activator inhibitor、血小板数が上位に挙がった。これらの変数を決定木に用いて、特異度の高い予測モデルを構築した。対象をUMAPを用いて4つの集団にクラスタリングが可能であり、大腿DVTおよびPEと下腿DVTの性質に相違があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在500例の解析が終了しており、予測精度を上げる解析法を検索している
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今後の研究の推進方策 |
今後は現在の解析結果をもとにより多くの症例数が必要かどうかを検討する。症例数が必要な場合はさらに収集し、十分であると判断した場合は静脈血栓塞栓症を予測するアプリの開発を目指す
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