研究課題/領域番号 |
23K08666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 宏 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80597047)
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研究分担者 |
山崎 正志 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50281712)
國府田 正雄 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50361449)
渋谷 彰 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80216027)
小田 ちぐさ 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50510054)
船山 徹 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20780620)
辰村 正紀 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40733639)
三浦 紘世 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40818051)
野口 裕史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (90783150)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | spinal cord injury / immunoreceptor / locomotor function |
研究開始時の研究の概要 |
野生型マウスおよび免疫受容体欠損マウスに対して脊髄圧挫損傷モデルを作成し、行動学的・組織学的解析を行う。次に、マウス脊髄圧挫損傷モデルに対し免疫受容体抗体製剤を投与し、対照群との行動学的・組織学的差異の評価を行う。これにより、マウス脊髄損傷モデルにおける免疫受容体制御による急性脊髄損傷二次損傷の軽減効果および作用機序を解明し、抗体製剤投与による脊髄損傷治療の有効性、作用機序を解明する。
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研究実績の概要 |
免疫受容体CD300aは、死細胞を貪食して除去するマクロファージの細胞膜上に発現し、死細胞が有するリン脂質フォスファチジルセリンと結合し、マクロファージによる死細胞の貪食を抑制する。マウス脳梗塞モデルにおいては、CD300a欠損マウスでは野生型マウスよりも神経障害が有意に軽減し、また、抗CD300a抗体を投与することでも神経障害が有意に軽減することが判明しており、急性脊髄損傷における免疫受容体の作用機序については検証されていないが、二次損傷の際に生じるマクロファージによる死細胞貪食の機能を制御することで、神経障害を軽減させ機能回復に寄与しうるのではという着想に至った。 まず、初年度においては、予備実験として、マウス脊髄損傷モデルに対して損傷直後に抗CD300a抗体の投与を行い、後肢運動機能の評価を行った。結果として、抗体投与群では対照群に比し有意な行動学的改善を認め、抗体投与による免疫受容体制御が脊髄損傷後の後肢運動機能を改善させることが判明した。さらに組織学的検討では、HA染色において抗体投与群で損傷脊髄面積の縮小を認め、脊髄損傷二次損傷の軽減に寄与している可能性が示唆された。 今後は、免疫受容体欠損マウスに対する脊髄圧挫損傷モデルを作成し、行動学的評価を進めていく予定である。免疫受容体欠損マウスにおいても対照群に比し行動学的に有意な改善を認めるようであれば、免疫受容体制御が脊髄損傷二次損傷を軽減することが確証される。その後、組織学的評価を行うことで二次損傷軽減のメカニズムを解明することが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
免疫受容体CD300a抗体投与による予備実験において、抗体投与群では対照群に比し有意な行動学的改善を認め、HA染色において損傷部面積は抗体投与により有意に縮小し、髄鞘染色においても抗体投与により残存髄鞘面積は大きく、免疫受容体CD300aの制御により急性脊髄損傷二次損傷が軽減されていることが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
免疫受容体欠損マウスに対する脊髄圧挫損傷モデルを作成し、行動学的評価を進めていく予定である。免疫受容体欠損マウスにおいても対照群に比し行動学的に有意な改善を認めるようであれば、免疫受容体制御が脊髄損傷二次損傷を軽減することが確証される。その後、組織学的評価を行うことで二次損傷軽減のメカニズムを解明することが可能となる。
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