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エピゲノムを介した骨棘形成と変形性膝関節症発症メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K08679
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56020:整形外科学関連
研究機関愛媛大学

研究代表者

忽那 辰彦  愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (60536449)

研究分担者 城野 明裕  愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (00882739)
今井 祐記  愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (10423873)
柳原 裕太  愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 助教 (20865703)
高尾 正樹  愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (30528253)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード変形性膝関節症 / エピゲノム / 骨棘形成 / Uhrf1 / Dnmt1
研究開始時の研究の概要

OAの病態発生メカニズムは解明されておらず、軟骨変性に対する根本的な治療法は確立されていない。我々は加齢に伴うエピゲノム異常の蓄積と加齢性疾患の病態発症の関連性に着目し研究を展開しており、滑膜内細胞におけるDNAメチル化制御因子(Uhrf1, Dnmt1)がOAの初期病態である骨棘形成に影響を及ぼすことが明らかとなってきた。そこで本研究では、滑膜間葉系幹細胞特異的遺伝子欠損マウスの病態解析並びにゲノムワイドな統合的解析および臨床検体を用いた治療標的分子の発現解析を実施し、骨棘形成からOA発症までのDNAメチル化制御因子の分子メカニズムを明らかにすることで新規治療標的分子の同定を目指す。

研究実績の概要

滑膜間葉系幹細胞特異的Uhrf1ノックアウトマウスを作出し、11週齢で腹腔内へのタモキシフェン投与により遺伝子欠損を誘導した後、12週齢で半月板不安定化処置により変形性膝関節症を誘導し(DMMモデル)、術後2週でサンプリングし脛骨内側関節面辺縁の骨棘を評価した。初期の骨棘評価については過去の報告では不十分と考えたため、再現性のある新たな骨棘評価法を確立し報告した。この評価法を用いてUhrf1ノックアウトマウスで有意に骨棘形成が阻害されていることを確認した。次に、8週齢のマウスから膝Fatpadを採取しコラゲナーゼ処理を加え、滑膜線維芽細胞の初代培養を行った。採取できる細胞が非常に少なく、細胞培養の確立に難渋している。少量の細胞は採取出来たため、4OHTでノックアウトを実施した後にFACSを用いて滑膜間葉系幹細胞マーカーであるPdgfra陽性、CD31陰性、CD45陰性細胞を採取した。FACSで採取した少量細胞でRNAーseqを行い遺伝子発現の増減を確認したが、サンプルのqualityが低く、正確な解析が困難であった。そこで、細胞培養の確立と並行してHumanサンプルでの実験を開始した。TKA患者の膝滑膜を採取しコラゲナーゼ処理を行った後に培養し、SiRNAでUhrf1ノックダウンを実施した。ノックダウンは良好に実施された。セルカウント法によってUhrf1ノックダウン細胞の増殖能低下が確認できた。また、Micromass Cultureを作成しBMP2投与によって軟骨分化能を評価した結果、Uhrf1ノックダウン細胞において軟骨分化能の低下を確認できた。さらに、滑膜間葉系幹細胞特異的なUhrf1ノックアウトマウスにおいて有意に骨棘形成が阻害されていることを確認できたため、この骨棘形成の阻害が軟骨変性へ与える影響を評価するため、DMMモデルを作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウス膝滑膜線維芽細胞の初代培養がうまく確立せず、初代培養を用いた実験が進んでいない。この原因の大きなものとして、初代培養で用いるFatpadの量が 1個体あたり非常に少量であることが挙げられる。そのため、Mcromass cultureなどの分化能実験やqualityの高いRNA-seqが実施できていない。初代培養の確立を目指すとともに、Humanサンプルでの実験を並行して行い、マウス細胞でのRNA-seqが困難であればHumanのノックダウン細胞でRNA-seqを行う予定としている。

今後の研究の推進方策

マウス膝滑膜細胞の初代培養を確立し、増殖実験、分化実験を実施する。初代培養確立後は再度、コントロールマウスと滑膜間葉系幹細胞特異的Uhrf1ノックアウトマウスの遺伝子発現の差をRNAーseqで評価する予定である。初代培養で十分な細胞量が得られない場合は、Humanのノックダウン細胞を用いてRNA-seqを行う予定である。RNA-seqで得られた結果を過去のUhrf1ノックアウトマウスのRNA-seq結果と比較し、Uhrf1の制御している候補遺伝子を選定し、Humanサンプルでの遺伝子発現を確認する。また、候補遺伝子のノックアウトマウスを作出し表現系を確認する。さらには、滑膜間葉系幹細胞特異的なUhrf1ノックアウトマウスにおいて有意に骨棘形成が阻害されていることを確認できたため、この骨棘形成の阻害が軟骨変性へ与える影響を評価するため、DMMモデルを作成し術後12週で評価予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 骨棘形成過程における Uhrf1 の機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      城野明裕
    • 学会等名
      第41回日本骨代謝学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 骨棘形成過程における Uhrf1 の機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      城野明裕
    • 学会等名
      第38回日本整形外科学会基礎学術集
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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