研究課題/領域番号 |
23K08685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
高橋 伸典 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20570196)
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研究分担者 |
寺部 健哉 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10816870)
大橋 禎史 愛知医科大学, 医学部, 助教 (90877044)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 関節軟骨変性の抑制 / ヒアルロン酸 / CD44 / 関節軟骨変性 |
研究開始時の研究の概要 |
変形性関節症(OA)は最も一般的な関節疾患であるが、詳細な病因は不明で有効な進行抑制薬も存在しない。主要なヒアルロン酸(HA)受容体であるCD44の機能性は、関節軟骨の恒常性維持に極めて重要である。CD44の断片化は、その受容体機能喪失および細胞内断片(ICD)増加によるCell-HA結合の喪失、すなわち細胞外マトリックスの喪失に直結するため、関節軟骨細胞の脱分化やOAにおける軟骨変性に深く関与していると考えられる。本研究では、軟骨細胞の脱分化におけるCD44断片化の意義とICD自体の機能解析を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、関節軟骨細胞の脱分化におけるCD44断片化の意義と断片化抑制による脱分化制御、変形性関節症発生抑制の可能性を探っている。 昨年度までにHCS(ヒト軟骨細胞様細胞株)および牛関節軟骨細胞におけるCD44の断片化モデルを確立し、HMG-CoA還元酵素阻害剤であるSimvastatinによるCD44断片化抑制による脱分化抑制効果、およびsiRNAによるRNA干渉実験系と阻害剤添加実験系において、ADAM10がCD44断片化に関わる主要なプロテアーゼであることを明らかにした。 過剰な力学的負荷が変形性関節症(OA)における軟骨変性に関連することが知られている。過剰力学的負荷による脱分化導入モデルにおいてCD44断片化が促進されることがウシ関節軟骨細胞で明らかとなり、ST140(STREX社)を用いた周期的伸展負荷によるCD44の断片化と脱分化導入は再現性をもって確立された。各種阻害剤の添加実験を行い、メカニカルストレスによるCD44断片化においてもADAM10がその主要なプロテアーゼであることが確認された。牛関節軟骨細胞にCD44-ICD(細胞内断片)を強制発現させるとSox9をはじめとする関節軟骨細胞特異的遺伝子発現が抑制されたことから、CD44-ICD自体が脱分化導入を促進することが確認された。 OAモデルマウス(DMM:内側半月板不安定化モデル)作製技術を確立して、ADAM10の関節軟骨特異的ノックアウトマウス(Col2-Cre)におけるOA発生の抑制効果を検証している。ADAM10ノックアウトマウスの大腿骨頭をex-vivoでIL-1刺激を行うと関節軟骨の変性が野生型と比較して著明に抑制されていた。また強制走行モデルと老化モデルいずれにおいても、ADAM10ノックアウトマウスにおいて大腿骨頭の関節軟骨変性抑制が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ADAM10ノックアウトマウスの生育状況が思わしくなく、in vivo研究の進展がやや遅れ気味である。ノックアウトマウスの数が揃い次第、強制走行モデル並びに老化モデルの作成を再開する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までにin vitroのデータに加えてADAM10ノックアウトマウスにおけるin vivoのデータが集積されつつあり、来年度は引き続きin vivoの検証を中心に進める予定である。CD44の断片化抑制による、OAモデルマウスにおける関節軟骨変性の抑制効果を実証することが目的となる。主として二つのADAM10抑制モデルを用いる予定である。一つはADAM10阻害剤の関節内注射による、CD44の化学的断片化抑制モデル。もう一つはADAM10のノックアウトマウスを用いる系である。ADAM10阻害剤を用いる系、ノックアウトマウスを用いる系、いずれに対してもOAの導入方法としては内側半月板不安定化もしくは強制走行モデルを評価選択して用いる。 我々のADAM10のコンベンショナル・ノックアウトマウスが短命であった場合にはCol2-CreERT2マウスを用いて成長終了後にADAM10欠損を誘導するモデルを使用することも検討されたがこの点については問題を認めなかった。老化モデルにおける関節軟骨変性についても検証を継続する。
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