研究課題/領域番号 |
23K08711
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小宮 顕 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (20311607)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 男性不妊症 / プレコンセプションケア / エピゲノム / マイクロRNA / 精子 / 精子DNA損傷 / 酸化還元電位 / 栄養食事指導 |
研究開始時の研究の概要 |
男性に対するプレコンセプションケアの意義について、精液所見、精液中の酸化ストレ ス、精子DNA損傷、エピゲノムの改善効果を検証することが本研究の目的である。泌尿器科的疾患以外に、食事内容を含めた様々な生活習慣や亜鉛欠乏、肥満のほか、高血圧などの併存疾患が男性妊孕能・精液所見・次世代に影響を与えることが指摘されている。一方で、実際にプレコンセプションケアとしての生活習慣修正や栄養食事指導で男性妊孕能・精液所見 が改善するかは未だ不明であり、積極的には実践されていない。プレコンセプションケアと 精液所見、精液中の酸化ストレス、精子DNA損傷、エピゲノムを同時に解析した報告はなくメリットは大きい。
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研究実績の概要 |
症例のリクルートのメインとなっている亀田IVFクリニック幕張において、登録時に行う研究目的の精液採取、体組成分析(InBody)実施、栄養食事のアンケートであるBDHQの記入を同クリニック内で行える体制、検査結果や栄養食事のアンケートの結果を説明できるようなオンライン診療システムを構築した。遺伝子解析用の精子凍結保存方法の決定と同クリニックの培養士への申し合わせを行い、RNAが取り扱えるような精子凍結保存が可能となった。 フォローアップの際は精液採取、体組成分析(InBody)実施、BDHQ記入の他に、男性不妊の問診票記載や精子DNA断片化率測定、精液の酸化還元電位測定を行うが、すでに実施できる体制をとっている。 BDHQを同クリニック内で取り扱えるように、㈱ジェンダーメディカルリサーチと契約を締結し、BDHQアンケートの使用、データ入力ソフト、オンライデータベース(DHQ BOX)、出力用ソフトの使用、結果の保存、結果を参加者に送付ができる体制を構築した。 同クリニックで使用している生殖医療専門のデータベース上に、研究や検体情報を登録できるな項目を設定し、後でデータを抽出できるシステムを構築した。 症例登録数が限定的であり、データ解析は行なっていないが、食事のアンケート結果では、肥満や塩分摂取過多、カルシウム摂取不足、カリウム摂取不足、繊維分摂取不足、脂質摂取過剰といった症例が目立っていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究参加者のリクルート先となっている亀田IVFクリニック幕張での研究体制の確保(研究許可や事務職員・看護職員・培養士・生殖医療科医師との申し合わせ、参加者のリクルートや研究実施体制の構築)、および栄養食事のアンケート調査に用いるBDHQの使用許可のための契約や、物品納入、専用のデータベースや入力解析ソフト導入に時間を要した。研究参加に同意して、男性のプレコンセプションケアを実施した症例の組み入れは2023年12月16日に開始となった。 また、2024年に入って、男性不妊外来受診の新規症例数が低下していることもリクルートが遅れている原因の一つである。
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今後の研究の推進方策 |
2024年3月までに7例の登録があり、3ヶ月後のフォローの受診をした参加者は1名である。 すでに治療を開始している症例や、精索静脈瘤術後のフォローアップを行なっている症例も含めてリクルートを進めていくことで目標症例数(100例)は確保できる見込みである。 遺伝子解析用の精液の凍結保存は6例で行っており、精子中のマイクロRNA解析について、国立医薬品食品衛生研究所の安全性生物試験研究センター毒性部、第三室・主任研究官、横田理氏を研究分担者として研究チームに迎えて、今後の解析を行う体制を整えている。
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