研究課題/領域番号 |
23K08712
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
北村 寛 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (00404674)
|
研究分担者 |
新井 恵吏 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (40446547)
西山 直隆 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (70619030)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | オーロラキナーゼ / 腎細胞癌 / CpGアイランドメチル化形質 |
研究開始時の研究の概要 |
前述の前臨床研究にてCIMP陽性腎細胞がんに対するAURK阻害薬の有効性を検証する。AURK阻害薬をCIMP陽性腎細胞がん患者の転移・再発後の治療に用いることで、治療のブレイクスルーをもたらし得るかを検証する臨床試験につなげることを目標とする。
|
研究実績の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による治療を受けた進行腎癌患者において、AURKAの発現が予後因子となりうるかどうかを検討するため、後ろ向き評価を行った。 2018年8月から2022年9月までに富山大学附属病院泌尿器科で転移性腎癌と診断され、ICIによる一次併用療法を受けた19例を本研究の対象とした。組織標本におけるAURKAの免疫染色を行い、陽性患者と陰性患者の無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を評価した。10%以上の検体で免疫染色が認められた場合を陽性とした。 19人の患者のうち、14人(73.7%)がAURKA陽性であった。IMDCのリスク分類によると、12例(63.2%)がIntermediate risk、7例(36.8%)がPoor riskに分類され、両群間でリスクのバランスに有意差は認められなかった。陰性例と陽性例のPFS中央値はそれぞれ23ヵ月と20ヵ月であり、有意差は認められなかった(p=0.518)。しかし、OS中央値は陰性例で58ヵ月、陽性例で35ヵ月であり、両群間に統計学的有意差を認めた(p=0.037)。 これらの結果より、AURKAの発現は一次治療としてICIを投与された進行腎癌患者の予後規程因子となる可能性と、AURKAを標的とした治療開発の正当性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既報では手術を受けた腎癌患者におけるCIMPが予後規程因子になっていたが、実臨床でオーロラキナーゼ阻害薬を使うシチュエーションは薬物療法の対象となる切除不能・転移癌患者である。このため、初年度は免疫チェックポイント阻害薬治療を受けた切除不能・転移性腎癌患者におけるオーロラキナーゼ発現と治療アウトカムの検証を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度では、種々の腎細胞がん細胞株においてCIMPスクリーニングを行い、陽性細胞株に対するオーロラキナーゼ阻害薬の増殖抑制効果を検討する。オーロラキナーゼ阻害薬はAurora A選択性のAlisertib、Aurora B選択性のBarasertib, 非選択性(pan-AURK阻害薬)のDanusertibを使用し、72時間培養後にセルアナライザーを用いた細胞パネルアッセイにて定量的評価を行う。順調にin vitro実験が終了すれば、in vivo実験へと進める。
|