研究課題/領域番号 |
23K08734
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
奥見 雅由 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60512978)
|
研究分担者 |
清水 章 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00256942)
角田 洋一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (40710116)
佐原 寿史 鹿児島大学, 総合科学域共同学系, 准教授 (90452333)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 腎移植 / 前臨床大動物モデル / mTOR阻害薬 / エベロリムス / バイオマーカー / 前臨床実験 / 大動物モデル |
研究開始時の研究の概要 |
近年の腎移植後成績の向上は、カルシニューリン阻害薬(CNI)の登場が果たした役割は大きい。しかし、CNI高濃度による腎毒性、低濃度による抗ドナーHLA抗体産生、長期投与による悪性新生物発生をいかに抑制するかが次の解決課題である。その対策としてmTOR阻害薬であるエベロリムス(EVR)の導入が試みられているが、至適使用方法に関してはいまだ結論が出ていない。 本申請研究では、①主要組織適合性抗原確立ミニブタを用いてCNI腎毒性および慢性腎拒絶反応モデルを作成し、このモデルを用いてEVRの至適使用を反映するバイオマーカーを探索する。さらに、腎移植後患者でのEVR投与量のモニタリング方法の確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
近年の腎移植後成績の向上は、カルシニューリン阻害薬(CNI)の登場とその使用法の進歩が果たす役割は大きい。しかし、CNI高濃度による腎毒性、低濃度による抗ドナーHLA抗体産生、長期投与による悪性新生物発生をいかに抑制するかが次の解決課題である。 その対策としてmTOR(mammalian target of rapamycin)阻害薬であるエベロリムス(EVR)の導入が試みられている。海外ではCNI減量または中止を目的としたEVRの有用性につき、多くの試験が施行されており、EVR併用群において生存率や拒絶反応発生率に影響を与えることなく移植腎機能は良好であったとの報告が多い。申請者らも、EVR併用低用量CNIでの維持免疫抑制導入にて良好な腎機能温存が可能であった結果を報告してきた。 基礎研究ではEVRによる抑制性T細胞誘導の報告が散見されており、EVRによるTreg活性が移植腎機能維持に貢献している可能性があるため、免疫抑制以外の評価が必要であると考えられる。 しかし、実臨床では免疫抑制薬として血中濃度により投与量を決定しているものの、至適使用方法に関してはいまだ結論が出ていない。mTOR阻害薬を主体とした維持免疫抑制下での腎移植後患者では、末梢血でのFoxP3陽性Tregの増加と急性拒絶反応発症の低下の関連性が示されているものの、mTOR阻害薬の至適使用を反映するバイオマーカーは確立されていない。 本研究では、主要組織適合性抗原(MHC)確立ミニブタを用いて②慢性腎拒絶反応(Group 2)および①CNI腎毒性(Group 1)モデルを作成、これらのモデルを用いてEVRの至適使用を反映するバイオマーカーを探索する。さらに、この前臨床腎移植モデルでのバイオマーカーを腎移植後患者でのEVR投与量のモニタリング方法への応用を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MHCの確立したクラウンミニブタを用いて、ハプロタイプC1→C2へのMHCフルミスマッチでの同種腎移植を行った。C1腎をレシピエントC2ミニブタの右後腹膜に移植した後に、レシピエントの健常左腎を摘出したライフサポーティングモデルである。まずは、①慢性拒絶反応モデルの作成に着手した。上記のクラウンミニブタを用いて、12日間の高濃度タクロリムス持続投与(目標血中濃度:35-45ng/mL)および13日目以降より14日間の減量タクロリムス持続投与(目標血中濃度:15-20ng/mL)で管理したMHCフルミスマッチ腎移植を2例行った。 1例目は術後119日まで観察し、経時的な腎機能採血と移植腎生検による病理学的評価を行った。119日目に犠牲死の上で移植腎を摘出したが、移植腎は広範な線維化と高度の細胞浸潤を認めた。2例目は現在術後111日目で生存しているが、最終の移植腎病理評価時期を決定するために、腎機能を採血で評価を行う予定としている。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度前半は、②慢性拒絶モデルの2例目の移植腎病理組織評価を行い、1例目との結果と比較する。再現性がなければ3例目の腎移植個体を作成し、12+14日間のタクロリムス目標濃度の再設定を行う。再現性があればこれまでの保存血清にて各サイトカインおよびmRNAレベルを評価し、①12+14日間の高濃度タクロリムス持続投与によるCNI毒性モデルの作成を開始する。 本年度後半からは、上記①②モデルを基本としてEVR持続投与を加えたGroup 3~5の実験群の作成を開始する。
|