研究課題/領域番号 |
23K08736
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
高橋 正幸 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (50325255)
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研究分担者 |
大豆本 圭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (10745516)
宇都 義浩 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (20304553)
上原 久典 徳島大学, 病院, 教授 (30263809)
楠原 義人 徳島大学, 病院, 助教 (40745684)
布川 朋也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (70564342)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 免疫チェックポイント阻害薬 / 個別化医療 / 鶏卵 / PDX / 腎癌 / 尿路上皮癌 |
研究開始時の研究の概要 |
有効な薬剤を効率よく使用するために個別化医療を行う環境を整えることが急務であり、有用な薬剤スクリーニング法を開発する必要がある。ヒト癌を免疫不全マウスへの移植したPatient derived Xenograft (PDX)モデルでは抗がん剤や分子標的薬治療の研究を行うことが可能である一方で、ヒト免疫を有するマウス(ヒト化マウス)はコストが非常に高く、実臨床での応用は予算上困難である。本研究では「腎細胞癌・患者由来癌組織を用いたPrecision Medicine Project研究」として低コストな鶏卵を用いた「新規ヒト免疫鶏卵モデルの開発」を行い次世代の個別化医療の体制を構築する。
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研究実績の概要 |
泌尿器癌治療は免疫チェックポイント阻害薬が中心となり、さらに従来の抗がん剤や分子標的治療薬と免疫チェックポイント阻害薬のcombination therapyの時代を迎えているが、非常に医療費がかかることが大きな問題である。そのため有効な薬剤を効率よく使用するために個別化医療を行う環境を整えることが急務であり、有用な薬剤スクリーニング法を開発する必要がある。さらに近年、腎細胞癌薬物療法の主軸となっている免疫チェックポイント阻害薬を用いた薬剤スクリーニング法の確立が早急に求められている。ヒト癌は免疫不全マウスへの移植したPatient derived Xenograft (PDX)モデルでは抗がん剤や分子標的薬治療の研究を行うことが可能である一方で、ヒト免疫を有するマウス(ヒト化マウス)で免疫チェックポイント阻害薬を評価することが可能である。しかしコストが非常に高く、実臨床での応用は予算上困難であると考えられる。そこで本研究では「腎細胞癌・患者由来癌組織を用いたPrecision Medicine Project研究」として低コストである鶏卵を用いた「新規ヒト免疫鶏卵モデルの開発」を行い次世代の個別化医療の体制を構築することが目的として研究を開始した。 患者の手術検体と患者の採血からヒト免疫細胞を採取しPBMCを抽出し、鶏卵モデル作製には有精卵を用いた。有精卵を孵卵器で10日間インキュベートしday11にChorioallantoic membrane (CAM)の上にミンスしたヒト癌組織を植えつけ、day15にPBMCを、day16に抗PD1抗体を静注した。最終的にday18に腫瘍を摘出した。抗腫瘍効果を腫瘍重量、病理学的評価で用いた定量的な評価を行い、現状では抗腫瘍効果を得ているモデルや治療抵抗性モデルができており今後比較検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
患者の手術検体と患者の採血からヒト免疫細胞を採取しPBMCを抽出し、鶏卵モデル作製には有精卵を用いた。有精卵を孵卵器で10日間インキュベートしday11にChorioallantoic membrane (CAM)の上にミンスしたヒト癌組織を植えつけ、day15にPBMCを、day16に抗PD1抗体を静注した。最終的にday18に腫瘍を摘出した。抗腫瘍効果を腫瘍重量、病理学的評価で用いた定量的な評価を行い、現状では抗腫瘍効果を得ているモデルや治療抵抗性モデルができており今後比較検討する予定である。現状では当初計画していたすべての工程が完了しており、現在、手術検体を用いてさらに検証中である。
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今後の研究の推進方策 |
現状では抗腫瘍効果を得ているモデルや治療抵抗性モデルができており今後比較検討する予定である。現状では当初計画していたすべての工程が完了しており、現在、手術検体を用いてさらに検証中である。研究代表者は、これまでに予後不良な淡明細胞型腎細胞癌に特徴的な遺伝子群を同定している。予後予測遺伝子群の中に、VEGF阻害剤の効果がない腎細胞癌を鑑別できるバイオマーカーが存在する可能性があると考え、INSRに着目し研究を行ってきた。現在、INSRとPDL1発現機構の関連とVEGFR阻害剤抵抗性についてInsulin receptor expression to predict resistance to axitinib and elucidation of the underlying molecular mechanism in metastatic renal cell carcinoma (Br J Cancer. 2023 Aug;129(3):521-530.)として論文報告した。この研究をさらに発展させ、鶏卵移植モデルでさらに研究を進めていく予定である。
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