研究課題/領域番号 |
23K08751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
武田 裕司 山形大学, 医学部, 准教授 (90302299)
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研究分担者 |
内藤 整 山形大学, 医学部, 講師 (00431643)
斉藤 真一 山形大学, 医学部, 助教 (90536674)
奈良 英利 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (00375338)
浅尾 裕信 山形大学, 医学部, 教授 (80250744)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 抗腫瘍活性 / 免疫抑制活性 / 好中球 / 腎癌 / 膀胱癌 / BCG / 末梢血 / 免疫チェックポイント阻害剤治療 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
効果的ながん(癌)免疫治療を行うため、好中球を指標にした癌免疫治療の研究がマウスモデルで多数試みられている。しかし、臨床応用するためには、2つの課題がある。 1つは、ヒトとマウスの好中球には、多くの違いがあり、共通指標を得ることが難しい。2つめは、好中球の指標を臨床応用するために、癌組織ではなく、経過的に観察できる低侵襲的検査方法(末梢血)で評価することが望まれている。しかし、その方法は確立されていない。 この2つの課題を解決しなくては、臨床応用は難しい。本研究は、この2つの課題を解決するため、末梢血中の癌免疫誘導型と免疫抑制型の好中球を評価できるヒト・マウス共通指標を特定する。
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研究実績の概要 |
ひっ迫する医療費問題を解決するため、多くのがん(癌)免疫治療の研究が行われている。近年、免疫抑制型好中球が癌免疫応答を阻害することが明らかとなり、好中球を抑制する新たな癌治療法の開発が試みられている。一方、最近、癌免疫誘導型好中球の存在が判明してきた。現在、この異なる2つの好中球を、低侵襲的検査方法(血液サンプル)で評価する方法は確立されていない。我々は免疫抑制型好中球の指標を報告し、現在、膀胱癌のBacille Calmette-Guerin (BCG)注入治療時の尿中の好中球から癌免疫誘導型好中球の指標を見出している。その研究で得られた指標などを用いBCG投与のマウス癌モデルを応用して、末梢血中の2つの異なる好中球を特定する指標を見出した。 現在、好中球分化や主要組織適合複合体クラスII関連分子の発現量と変動係数が、免疫抑制型好中球と癌免疫誘導型好中球の指標になる可能性を示し、これらのことについて、論文発表を行った。 また、それら研究結果を用いて、癌免疫誘導型好中球と免疫抑制型好中球をヒトとマウスで共通に変動する末梢血レベルでの候補遺伝子を同定しているが、それら遺伝子産物の変化を確認するため、特異抗体を準備し、ヒト・マウスの末梢血を用いて測定を開始してる。 また、発現量と変動係数の動態について、Agent-based modelによるシミュレーションにより、検証を行った。これらの結果を応用する事で、将来、治療応答性や治療応答誘導の評価を行う事が可能になると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
BCGによる癌免疫誘導型好中球の論文発表を行った。また、発現量と変動係数の動態をお要することが、免疫チェックポイント阻害剤治療の治療前予測に応用できる可能性を示す論文の発表も行った。 そして、当初の計画通り、ヒトとマウスに相同性のある新たな癌免疫誘導型好中球と免疫抑制型好中球の指標候補の遺伝子発現を確認しするため、それら遺伝子産物のに対する抗体を購入して、ヒトの腎癌患者末梢血にて、フローサイトメトリーによる解析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、BCG投与モデルマウスと、担癌マウスモデルを用いて、癌免疫誘導型好中球と免疫抑制型好中球を誘導して、末梢血レベルでの候補遺伝子産物の変化を確認する。さらに、腎癌患者末梢血でのそれら候補遺伝子産物の変化を測定を進める。事前に採血し、測定した血液検体において、治療後の臨床結果が明らかとなった症例については、予測が可能であったか検証する。 また、発現量と変動係数の動態について、Agent-based modelによるシミュレーションにより、検証を行った結果を論文発表する予定である。 好中球は、末梢血中で寿命が短いことから、検査項目としては細胞数の変動しか用いられていないことが多かった。また、遺伝子発現変化においては、単核球に分離した際に混入している低比重化した好中球が解析されている報告が多い。 今後、我々が見出した好中球の指標を臨床するためには、末梢血サンプルを多施設から回収し、安定して測定する方法を確立する必要性がある。そこで、末梢血を固定保存する方法を検討し、測定項目が安定して測定出来るか検討する予定である。
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