研究課題/領域番号 |
23K08754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
角野 佳史 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10397218)
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研究分担者 |
後藤 享子 金沢大学, 薬学系, 准教授 (50180245)
溝上 敦 金沢大学, 医学系, 教授 (50248580)
泉 浩二 金沢大学, 医学系, 准教授 (80646787)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / 免疫チェックポイント阻害薬 / 抗炎症作用 / 腫瘍随伴マクロファージ / ジテルペン |
研究開始時の研究の概要 |
CCL20-CCR6軸は腎細胞癌細胞の転移能を顕著に亢進させるなど、各種ケモカインシグナルは極めて有望な治療ターゲットとなりうると考えられる。ケモカインシグナルを制御する方法として本研究ではコーヒーに含まれるジテルペンであるKAHとCAFに着目した。KAHとCAFは腎細胞癌細胞に直接作用しケモカイン受容体の発現を抑制することによってシグナルを抑制しポトーシスを引き起こす。KAHとCAFがTAMのケモカインをどのように抑制するか、TAMの遊走能や表現型、表面マーカーあるいはマクロファージとしての極性をどのように変化させ、その結果腎細胞癌細胞にどのような影響を与えうるかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
以前我々は、腎細胞癌では腫瘍微小環境において腫瘍随伴マクロファージ(tumor-associated macrophage: TAM)がケモカインを放出し癌細胞の転移能を亢進させることを報告した。本研究では新たにTAMをターゲットとして、抗炎症作用を介した腎細胞癌治療の可能性を探求する。 TAMは他の免疫細胞と協調的に癌細胞を活性化させるが、なかでも制御性T細胞(regulatory T cell: Treg)はTAMの活性にも関わる重要な免疫寛容を促す細胞である。医学倫理審査委員会承認のもと、フローサイトメトリーを用いて血中Tregが免疫チェックポイント阻害薬によって変化するか確認した。イピリムマブ+ニボルマブ療法5例の解析においては4例でTregの表面マーカーであるCD25+リンパ球の絶対数が投与前に比較し減少していた。一方、ニボルマブ単独療法においては5例中2例にのみCD25+リンパ球の減少が認められた。また腫瘍微小環境内でのPD-L1の状態を明らかにするため、まず培養細胞(ヒト乳頭状腎細胞癌細胞株ACHNとヒト淡明細胞型腎細胞癌細胞株Caki-1)のPD-L1の発現を調べたところ、いずれの細胞にも高発現していた。現在、微小環境内でのTAMのPD-L1の発現を明らかにするため、腎細胞癌細胞がTAMのPD-L1発現へ与える影響を調べている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3年間の予定を100%とした場合、30%程度と考えられる。In vitroの実験においては、細胞間相互作用のキーとなる液性因子が絞り込めていないため若干の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
腎癌細胞によるTAMのPD-L1の発現変化を明らかにする。ヒト検体においてTAMを活性化するTregの状態をより詳細に評価する。FOXP3などのマーカーを用いた解析を行う。
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