研究課題/領域番号 |
23K08756
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 倫央 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40759528)
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研究分担者 |
竹澤 健太郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90648015)
馬込 卓弥 追手門学院大学, 社会学部, 准教授 (20769731)
福原 慎一郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20609870)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 夜間多尿 / 運動 |
研究開始時の研究の概要 |
夜間頻尿は加齢に伴い増加しQOLを低下させる。夜間頻尿の最も多い原因は夜間多尿であるが、夜間多尿に対する薬物治療の効果は限定的である。その理由として、夜間多尿の病態メカニズムが不明であり、創薬研究に不可欠な動物モデルが確立できていないことがあげられる。その結果、夜間多尿の病態メカニズムを治療ターゲットとした治療薬は開発されていない。一方で、夜間多尿に対する運動療法は有効であるが、有効である機序は明らかでない。我々は先行研究で世界に先駆けて夜間多尿モデルマウスを確立した。我々はこのモデルマウスを用いて、運動が夜間多尿を改善させる分子病態メカニズムを明らかにし、新規治療ターゲットの探索を目指す。
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研究実績の概要 |
我々は先行研究でNO低下と塩分負荷が夜間多尿をきたすことを明らかにしたが、薬剤(Nw-Nitro-L-arginine methyl ester hudrochloride:L-NAME)によるNO産生抑制は効果が強いと考えられたため、加齢とともに緩徐にNO産生が低下する老齢マウスを用いて検討する方針とした。まず、80週齢老齢マウスでは成熟マウスと比較しNO産生が有意に低下していることを明らかにした。続いて、80週齢老齢マウスに塩分負荷を与え、aVSOP(自由排尿行動記録)を用いて評価したところ、昼間多尿(マウスは昼夜逆転しているため)をきたすことを明らかにした。さらに、この老齢マウスを用いた夜間多尿モデルマウスに中等度の運動負荷を与えたところ、全身でのNO産生量を反映する尿中NOxが有意に増加することを明らかにした。そして、aVSOPを用いて排尿行動を評価したところ、中等度の運動負荷を与えた夜間多尿老齢モデルマウスでは、運動負荷を与えていない夜間多尿老齢モデルマウスと比較し、有意に中間多尿が改善していることを明らかにした。現在、その機序解明を目指し研究を進めている。先行研究で明らかにした腎局所のレニン・アンジオテンシン系の活性が運動負荷前後でどのように変化するのか評価を行う予定である。また、基礎研究と並行して、実際にヒトにおいて運動療法が夜間多尿に与える効果を調べるためにウェアラブルデバイスを用いた臨床研究を開始している。倫理委員会の承認を得たため、現在、夜間多尿患者のリクルートを開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず老齢マウスを用いた夜間多尿モデルマウスの確立に成功した。さらに、中等度の運動負荷が夜間多尿モデルマウスの中間頻尿を有意に改善させることを明らかにした。本年度は運動負荷が夜間多尿を改善させるメカニズムの解明を目指し研究を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
中等度の運動負荷が夜間多尿老齢モデルマウスの夜間多尿を改善させることが明らかとなったため、その機序解明を進めていく。同時に夜間多尿患者を対象とした運動負荷による臨床研究も進めていく。
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