研究課題/領域番号 |
23K08758
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大豆本 圭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (10745516)
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研究分担者 |
上原 久典 徳島大学, 病院, 教授 (30263809)
竹本 龍也 徳島大学, 先端酵素学研究所, 教授 (30443899)
楠原 義人 徳島大学, 病院, 助教 (40745684)
高橋 正幸 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (50325255)
片桐 豊雅 徳島大学, 先端酵素学研究所, 教授 (60291895)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 膀胱癌 / 尿路上皮癌 / DDX31 / p53変異 / TP53変異 / EGFR / mutant p53 |
研究開始時の研究の概要 |
癌特異的発現分子として新規核小体制御分子Dead box polypeptide 31 (DDX31)を同定しDDX31は尿路上皮癌の多段階進展機構においてkey molecule かつtherapeutic target moleculeであることを発見した。今回の研究ではCRISPR/Cas9システムによるゲノム編集技術で樹立したDDX31、TP53遺伝子の遺伝子改変マウスによる尿路上皮癌自然発がんモデルを用いて、多段階進展の詳細なメカニズム解析、新規治療標的分子の探索、癌免疫機構・免疫関連有害事象(irAE)の解明を行い、実臨床への還元を行うための基盤研究とする予定である。
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研究実績の概要 |
Cancer-specific-therapy を目的とし浸潤性尿路上皮癌・臨床検体を用いた網羅的遺伝子発現解析を行うことで癌特異的発現分子として新規核小体制御分子Dead box polypeptide 31 (DDX31)を同定した。DDX31は尿路上皮癌の多段階進展機構においてkey molecule かつtherapeutic target moleculeであることを発見した。今回の研究ではCRISPR/Cas9システムによるゲノム編集技術で樹立したDDX31、TP53遺伝子の遺伝子改変マウスによる尿路上皮癌自然発がんモデルを用いて、多段階進展の詳細なメカニズム解析、新規治療標的分子の探索、癌免疫機構・免疫関連有害事象の解明を行い、実臨床への還元を行うことを目的として解析を、行っている。現在まで研究実績報告としてBBNを用いた膀胱癌発癌モデルで膀胱でのDDX31遺伝子発現変化とTP53変異における関連性をタイムラインで検証した。まず、この自然発がんモデルではBBN暴露開始後、14-16週で尿路上皮異型または上皮内癌が出現し、18週から24週で浸潤癌が30%の割合で出現した。24週以降ではほぼ全例で浸潤癌が出現した。DDX31発現は18週以降で発現が顕著に上昇していた。C57 black 6マウス由来のDdx31 ノックイン、及びDdx31ノックアウトマウスでの発癌率や癌進展の速度を比較検討を現在行っている。現状ではノックアウトマウスは浸潤癌の形成がなく、ノックインマウスでは18週時点での浸潤癌が100%出現している。さらに現在、検証を進めておりDDX31の発癌及び癌進展への影響を確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で計画していたBBNによる膀胱癌自然発がんモデルでのDDX31発現変化について検証が完了している。また現在、遺伝子改変マウスのDDX31ノックアウトマウス及び、ノックインマウスでのBBNによる膀胱癌自然発がんを検証中であるが、C57 black 6マウス由来のDdx31 ノックイン、及びDdx31ノックアウトマウスでの発癌率や癌進展の速度を比較検討を現在行っている。現状ではノックアウトマウスは浸潤癌の形成がなく、ノックインマウスでは18週時点での浸潤癌が100%出現している。さらに現在、検証を進めておりDDX31の発癌及び癌進展への影響を確認しており、時間を費やす実験であるが概ね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進については、DDX31ノックアウトマウス及びノックインマウスでの発がんを検証し、さらに、野生型、DDX31ノックアウトマウス及びノックインマウスにおける癌が発癌していない14週-16週における尿路上皮での遺伝子発現変化を比較検討する。DDX31の有無でどのようなシグナル変化があるかを確認する方針である。 またBBN自然発癌した癌を用いて新規治療標的分子を行う。発癌した尿路上皮癌を用いて、ハイスループットスクリーニングを行う。尿路上皮癌で現在、標準治療で用いられている抗がん剤の感受性を3次元培養及びATPアッセイで評価する。使用する抗がん剤はシスプラチン、ゲムシタビン、カルボプラチン、ドセタキセル、パクリタキセルである。さらに分子標的治療薬であるFGFR阻害薬、EGFR阻害薬、Akt阻害薬などを用いて各リン酸化シグナル抑制による抗腫瘍効果を検討する。さらにFDA承認をうけた化合物ライブラリーを徳島大学泌尿器科では保有しており、ハイスループットスクリーニング法による網羅的な治療候補薬の探索と、遺伝子発現・変異結果との関連性を考察し、病態解明を行う予定である。
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