研究課題
基盤研究(C)
男性不妊の4割は原因不明の精子形成不全によるとされる。これまでの研究から、不妊の多くには精子幹細胞の分化異常が伴う可能性が示唆されるが、精子幹細胞分化制御機構はよくわかっていない。本研究では、近年その存在が明らかになってきた精子幹細胞の亜集団を詳細に解析し、それと幹細胞分化や不妊との関わりを調べる。実験ではシングルセルマルチオミクス解析を用い、亜集団を遺伝子発現だけでなくクロマチンレベルから詳細に規定し、特異的な遺伝子や制御機構を調べる。また、精子幹細胞分化障害モデルの一つであるKmt2b欠損マウスを解析し、クロマチン状態の破綻と亜集団の関連性を調べ、男性不妊の機序解明に寄与することを目指す。