研究課題/領域番号 |
23K08780
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松本 洋明 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (60610673)
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研究分担者 |
白石 晃司 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00535255)
小林 圭太 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20914021)
宮本 達雄 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40452627)
平田 寛 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (40781307)
清木 誠 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50226619)
松山 豪泰 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授(特命) (70209667)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 膀胱癌 / 一次繊毛 / 癌微小環境 / 免疫逃避 / 薬剤感受性 |
研究開始時の研究の概要 |
膀胱癌の悪性形質獲得の一端にはCAが重要な役割を果たしているが根本的な治療薬の開発には至っていない。 一方、癌細胞における一次繊毛とstemnessとの関連が報告され、その制御メカニズムと繊毛からの様々なシグナル伝達を制御する薬剤の開発が進んでいる。一次繊毛は膀胱癌でも重要なHedgehog、Notch、Gli、WntシグナルおよびAURKAとの結合が示唆されており、一次繊毛の制御により根本的な膀胱癌の薬剤抵抗性克服につながる可能性が示唆される。 本研究はCAの研究知見と一次繊毛の疾患に対する制御メカニズムの知見を統合し膀胱癌stemnessの機序の解明とその治療戦略の創出を目的とする。
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研究実績の概要 |
膀胱癌の悪性形質獲得の一端にはCAが重要な役割を果たしているが根本的な治療薬の開発には至っていない。 一方、癌細胞における一次繊毛とstemnessとの関連が報告され、その制御メカニズムと繊毛からの様々なシグナル伝達を制御する薬剤の開発が進んでいる。一次繊毛は膀胱癌でも重要なHedgehog、Notch、Gli、WntシグナルおよびAURKAとの結合が示唆されており、一次繊毛の制御により根本的な膀胱癌の薬剤抵抗性克服につながる可能性が示唆される。 本研究はCAの研究知見と一次繊毛の疾患に対する制御メカニズムの知見を統合し膀胱癌stemnessの機序の解明とその治療戦略の創出を目的とした。 まず、膀胱癌細胞株にて一次繊毛の発現を確認した。細胞株を蛍光免疫染色で繊毛の状況を反映するα-tublinの発現で見るとRT4やHT1376の低悪性度腫瘍においてはほとんど形成を示さなかった一方、T24、TCCSUP、5637といった中心体過剰複製のある細胞株においては過剰複製の頻度に応じて明らかにα-tublinの発現が増加していた。次いで臨床検体より採取した組織標本を同じく蛍光免疫染色にてα-tublinの発現を確認したところ筋層非浸潤癌では筋層浸潤癌と比較しα-tublinの発現は低く、筋層浸潤癌では高い傾向にあった。しかし、術前化学療法後の組織ではその発現が低下していた。なお正常組織では発現はほとんど認めなかった。 以上より症例数を増加し、今後統計学的な解析を加えることで一次繊毛と臨床因子との関連が予測できる可能性があり、また、細胞株による3D培養での薬物耐性と一次繊毛の関わりに関連がある結果が得られる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床検体の収集に遅れがあり、患者の同意取得と手術検体採取を促進する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
アーカイブ検体を用いた組織染色の検討も進めるとともに、in vitroでの解析を進める。 また、ヒト由来初代膀胱線維芽細胞にRFP、hTERT遺伝子発現レンチウイルスベクターを用いて遺伝子導入する。次いで膀胱癌細胞株にGFPを遺伝子導入し、細胞をマイクロ流体デバイス内で共培養、疑似TMEを構築し、微小環境の形態、増殖能を細胞イメージングシステムにてリアルタイムに、経時的に観察、定量化する。また適時チップを取り出し、一次繊毛、中心体を蛍光免疫染色し、一次繊毛とCAとの関連を検討する。繊毛局在分子Arl13B遺伝子のノックアウトを行い、一次繊毛を欠損させることでCAの変化と細胞増殖、浸潤能の観察を行う。上記で作成したマイクロ流体デバイスに患者末梢血より分離採取した単核球(主としてTリンパ球系)を培養し、培地チャンネルから単核球を導入共培養し、細胞イメージングシステムにてリアルタイムに、経時的に観察、定量化する。CODEX法(2022年2月本学で稼働済)を用いて一次繊毛、免疫細胞系と上皮細胞、癌幹細胞系の多重染色を行い、染色像のシングルセル解析を行い、それらの細胞の種類を同定し、免疫TME下での細胞動態を解明する。
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