研究課題/領域番号 |
23K08789
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高橋 悟 日本大学, 医学部, 教授 (50197141)
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研究分担者 |
原 誠 日本大学, 医学部, 准教授 (10817224)
大日方 大亮 日本大学, 医学部, 准教授 (20624886)
井上 聡 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (40251251)
藤原 恭子 日本大学, 歯学部, 准教授 (40595708)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | アンドロゲン受容体 / OCT1 / 前立腺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺がんの増殖・進展は、主にアンドロゲン受容体(Androgen receptor: AR)により制御されており、抗アンドロゲン療法は初期には著効するものの、多くが経過中に去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に変化する。このメカニズムには腫瘍特異性のエピゲノム制御により、ARシグナル経路の異常活性化が起こることがその原因の一つと考えられている。本研究では複数の治療薬に抵抗性を示した前立腺がん症例のARシグナル経路の特性を、クロマチン免疫沈降ならびに次世代シークエンサーで網羅解析を行い、前立腺がん治療薬の開発から臨床応用を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度はアンドロゲン受容体(AR)と連携する転写因子OCT1が標的とする遺伝子についての解析を行っている。以前の研究実績によりOCT1およびARの共通の標的遺伝子であるアニリンアクチン結合タンパク質(ANLN)が、特に難治性前立腺癌において高発現していることが判明しているが、今回、ホルモン感受性の早期前立腺癌組織におけるANLNの発現が、患者の予後の悪化を予測するバイオマーカーとしての可能性について検討した。結果、早期の前立腺癌症例においてANLNが発現している場合、その後進行性前立腺癌への移行の可能性が高いことを発見し、これによりOCT1が前立腺癌の臨床病期を問わず重要な役割を果たしていることが示唆された。さらに、Monash大学から提供された難治性前立腺癌患者由来のがん移植モデル(Patient Derived Xenograft: PDX)を用いて、ARとOCT1が最も重要視する標的遺伝子を特定する研究を行い、遺伝子Xを同定している。この遺伝子Xは前立腺癌の免疫応答に関与し、治療抵抗性に影響を与えていることが明らかになった。この研究成果の発見に加え、副次的な研究成果の去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)患者の臨床特性に関する研究や、対照群としての良性疾患である前立腺肥大症の手術例の治療成果、BRCA2異常を持つ治療関連神経内分泌前立腺癌に対する放射線とオラパリブ治療の長期的効果に関する報告、そしてアンドロゲン受容体シグナル経路に関する最新の情報を総合的にまとめたレビューが含まれている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、OCT1を抑制する化合物を投与したPDX検体を用いた網羅的解析を行う予定であった。しかし、研究の進行過程で、化合物を投与していないPDXにおけるOCT1ネットワークの詳細な解明を目指す方針への転換が必要とされた。この方針変更により、当初の計画に比べて進行に遅れが生じることとなったが、その過程で新たに得られた複数の重要な知見は、研究が有意義に進展していることを示すものであり、当初の遅れを補うに足る価値があると考えられる。したがって、これらの結果は、研究が順調に進んでいると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
既にOCT1を抑制する化合物をPDXに添加済みであり、今後の研究計画では、このPDX検体と化合物非投与のPDXにおけるOCT1ネットワークの違いを比較検討する予定である。加えて、遺伝的に均一性を持つ商用の前立腺癌細胞株に対し、実臨床で使用されている薬剤を長期間投与することで治療抵抗性モデルを構築し、このモデルにおいて上述の遺伝子が高発現するかどうかを検討し、その再現性を確認する計画である。
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