研究課題/領域番号 |
23K08798
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
金崎 春彦 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (10325053)
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研究分担者 |
折出 亜希 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (00423278)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | フィードバック / ステロイド / キスぺプチン / ゴナドトロピン / キスペプチン / 性ステロイド |
研究開始時の研究の概要 |
生殖機能は視床下部-下垂体-性腺軸(Hypothalamic Pituitary Gonadal axis:HPG axis)により制御されている。2003年にキスペプチンが視床下部Gonadotropin-releasing hormone (GnRH)ニューロンの制御因子である事が発見され、その後視床下部キスペプチンニューロンの存在が明らかになった。HPG axisの最上位に位置するキスペプチンニューロンへ影響を与える因子は女性の生殖機能に影響する。本研究では女性内分泌制御に重要なキスペプチンとそのニューロンに焦点をあて、性ステロイドホルモンによるフィードバック機構と内分泌代謝・ストレス因子による影響について中枢側で生じる現象を調べる。
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研究実績の概要 |
【目的】性ステロイドホルモンは視床下部-下垂体-性腺軸(HPG axis)のフィードバック機構によりを調整されている。卵巣の有無によるフィードバック機構の相違点について検討した。 【方法】7週齢の雌ラットの卵巣を摘出後、エストラジオール(E2)、プロゲステロン(P4)、ジヒドロテストステロン(DHT)の補充を行った。また7週齢の有卵巣雌ラットにE2,P4、DHTを投与した。それぞれの視床下部Kiss-1遺伝子及び下垂体ゴナドトロピン発現の変化を検討した。 【結果】弓状核を含む視床下部領域のKiss-1発現は卵巣摘出で上昇、E2補充で減少した。卵巣摘出によるKiss-1の上昇はP4、DHT補充でも抑制された。卵巣摘出により下垂体ゴナドトロピンα、LHβ、FSHβサブユニット遺伝子発現は有意に上昇したがE2補充により全てのサブユニット発現の上昇は抑制された。P4に抑制効果はなく、DHTはα及びFSHβサブユニットの上昇を部分的に抑制した。有卵巣ラットにおいて弓状核を含む視床下部領域のKiss-1発現はE2投与で著明に抑制されたが、P4、DHT投与で変化は無かった。下垂体α、LHβ、FSHβサブユニットはE2,P4投与で有意に抑制されたが、DHT投与で変化は無かった。 【結語】卵巣の有無により性ステロイドホルモンの視床下部、下垂体への影響は異なると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は性ステロイドE2, P4, DHT補充によるフィードバック機構につき動物実験を行い、卵巣摘出の有無で視床下部キスぺプチン発現、下垂体ゴナドトロピン発現がどのように変化するのかを検討した。卵巣の有無で性ステロイドホルモンの視床下部、下垂体への影響は異なる結果が得られ、性ステロイドホルモンによるフィードバック機構の一端が明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
卵巣除去及び性ステロイドホルモン補充による脳内生理活性物質の変化の詳細を更に検討していく。
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