研究課題/領域番号 |
23K08803
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
水谷 哲也 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (90322734)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 絨毛細胞 / YAP / TAZ / TEAD / Hippo経路 / 胎盤 / 分化 / クロマチン構造 |
研究開始時の研究の概要 |
胎盤における絨毛の細胞性栄養膜細胞から、ガス・栄養運搬や胎盤性ホルモン分泌を司る合胞体性栄養膜細胞と、脱落膜へ浸潤する絨毛外性栄養膜細胞に分化するプロセスは胎盤形成において極めて重要であり、その破綻は胎児発育不全や妊娠高血圧症候群などの周産期疾患に直結する。本研究ではヒト絨毛幹細胞を用いて、(1) Hippo経路による絨毛細胞分化の制御メカニズムを解明する。(2) Hippo経路に影響を及ぼすと考えられる化合物や生理活性物質を用いた新たな治療法の開発を試みる。これらの解析を通して、絨毛細胞の分化メカニズムの解明から、胎盤形成障害の新たな原因究明につなげる。
|
研究実績の概要 |
Hippo pathwayは、細胞増殖や器官サイズを制御するシグナル伝達系として明らかになっている。Hippo pathwayによるシグナルは、最終的に転写共役因子YAP/TAZの活性を制御することで様々な遺伝子の発現を調節している。 我々は、絨毛細胞由来BeWo細胞やヒト栄養膜幹細胞を用いた解析より、YAP/TAZは転写因子TEADと共に細胞性栄養膜 (Cytotrophoblast: CT) 細胞の維持に必須であり、これらの活性低下が合胞体栄養膜 (Syncytiotrophoblast: ST) 細胞への分化に重要であることを明らかにしている。しかしながら、既知のST細胞特異的遺伝子近傍にはYAP/TAZ-TEAD結合領域は認められず、そのメカニズムは不明であった。そこでまず、遺伝子近傍にYAP/TAZ-TEAD結合領域が存在する新たな標的遺伝子を明らかにするため、我々が行ったChIP-seqの結果とRNA-seqおよびDNAマイクロアレイの結果を解析した。その結果、SHBおよびDAP遺伝子がその遺伝子近傍にYAP/TAZ-TEADが結合する新たな標的遺伝子の候補であることが示された。これらの結果を確認するため、RT-qPCRおよびChIP-qPCR解析を行ったところYAP/TAZ-TEADによる遺伝子発現およびその結合が認められた。 以上の結果から、絨毛細胞における新たなYAP/TAZ-TEAD標的遺伝子が明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通り、絨毛細胞においてYAP/TAZ-TEADによるST細胞特異的遺伝子の発現調節について新たな知見を得た。
|
今後の研究の推進方策 |
新たなYAP/TAZ-TEAD標的遺伝子が同定できたので、YAP/TAZ-TEADによる詳細な遺伝子発現調節メカニズムの解析が可能になった。今後、このメカニズムの解明をさらに進めていく予定である。
|