研究課題/領域番号 |
23K08815
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
西島 良美 群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (10710733)
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研究分担者 |
齊尾 征直 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (40242721)
小林 さやか 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (80765694)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ラミン / エメリン / 子宮内膜癌 / 核ラミナ / 核膜構成蛋白 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮内膜癌は予後と良く相関する遺伝子変異サブタイプが同定されたことで、その大部分を占める類内膜癌は多彩な腫瘍を含有している可能性が示唆された。これにより、病理組織診で従来「類内膜癌」と診断されてきた腫瘍を詳細に解析してその特性を明らかにし、新たな予後予測・不良因子を同定することが求められている。 近年、細胞核の弾性能の変化や減少が腫瘍の浸潤能、転移能に影響する可能性が報告されている。そこで本研究では、核の弾性を支持する核膜構成蛋白であるラミン発現に着目し、類内膜癌におけるラミンとその関連蛋白発現の定量解析を行い、類内膜癌の浸潤・転移能や予後推定に関するラミン発現の意義とその役割の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
今年度は、群馬大学医学部附属病院産婦人科で外科的に切除された子宮内膜組織材料を用いて核形状維持蛋白(ラミンA、ラミンB1、ラミンB2、エメリン)発現と病変進展および臨床病理学的因子との関連性について解析を行った。概略としては、正常内膜、子宮内膜増殖症、前がん病変として子宮内膜異型増殖症、類内膜癌症例を抽出した。次にHE染色、鍍銀染色により子宮内膜異型増殖症および類内膜癌の同一症例内での鑑別を行い、各症例群の選定を行った。その後、各蛋白の免疫組織化学染色を施行した。 免疫染色後、染色済み標本上の5か所をランダムに抽出して写真撮影装置やバーチャルスキャナを用いて写真撮影を行い、その画像をコンピューターに取り込んで画像解析を行い蛋白発現と核形状因子の解析を試みた。 その結果、ラミンAおよびエメリン蛋白発現は、正常内膜、子宮内膜増殖症/子宮内膜異型増殖症、類内膜癌に至るまで一貫して大きな変化が見いだせず、正常内膜から類内膜癌に至るまで低発現状態を維持していることが確認できた。また、核の大きさや周囲長については、正常内膜、子宮内膜増殖症/子宮内膜異型増殖症、類内膜癌の症例間での比較による有意差は認められなかった。 子宮内膜においては、核ラミナを構成する類似した蛋白であるラミン Aとエメリンが核形状の維持や腫瘍の進展において、他の腫瘍とは異なる役割を果たしていることを示しているものと考えられたが、同様の結果を他の腫瘍で確認できていないため、さらに追加の検索を行い検討を続ける予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、今年度分のデータをまとめて論文投稿の準備を進めているため、おおむね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に解析を行った核形状維持蛋白発現を症例数を増やして追加検討を進める。また、類内膜癌症例については症例数を追加するとともに組織型の種類を増やし、免疫染色とPOLE遺伝子変異解析の組みあわせであるProMisE分類を参考に、POLE-ultramutated、MMR、p53-mutant、NSMPの4型への再分類を試み、その分類と核形状維持蛋白発現、臨床病理学的因子の解析を進めていく。
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