研究課題/領域番号 |
23K08821
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 日本赤十字社和歌山医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
寒河江 悠介 日本赤十字社和歌山医療センター(臨床研究センター), 産婦人科部, 副部長 (00907917)
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研究分担者 |
堀江 昭史 京都大学, 医学研究科, 講師 (30535836)
奥宮 明日香 京都大学, 医学研究科, 助教 (70893791)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 胚移植 / タイムラプス / 人工知能 / オミックス解析 / 胚培養 / 高度生殖医療 |
研究開始時の研究の概要 |
高度生殖医療において子宮内に移植する肺について、形態不良胚より良好胚の方が着床率・生児獲得率が高いことは既知の事実であるが、胚盤胞や形態良好胚が得られない患者も多く存在する。本研究では形態良好胚誘導培養システムを構築することを目的とする。まず受精から胚盤胞に発生するまでの胚培養タイムラプス画像の機械学習解析を行い、分割胚が将来形態良好胚となるか不良胚となるかを予測するモデルを作成する。次にタイムラプス画像から分割期の廃棄胚を「予定形態良好胚」「予定形態不良胚」に分類し、比較オミックス解析を行い、良好胚の発生に重要な遺伝子やpathwayを抽出する。この結果をもとにして胚培養系の改善に取り組む。
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研究実績の概要 |
より着床率の高い形態良好胚を培養する条件を新たに見出すために、形態良好胚と不良胚のオミックス解析を用いることを計画した。しかし、発育後の胚盤胞で解析を行っても胚培養後の結果を見ているにすぎず、形態不良胚となる場合に発現が不十分な遺伝子やpathwayの同定は困難であると考えた。そこで、受精後からの胚培養タイムラプス画像を、機械学習および人工知能を用いて解析し、形態良好胚か不良胚か予測するモデルを作成することで、発育途上の分割胚を「予定形態良好胚」「予定形態不良胚」に分類して比較解析することとしている。この研究には形態良好胚盤胞および形態不良胚盤胞の予測モデルの高い精度が必要であるため、データセットを7100まで増やして改良を行なった。また年齢などの臨床因子を加え、さらに分割期胚までのVeeK分類による質的評価も画像情報とは別に入力した。この結果、形態良好胚盤胞および形態不良胚盤胞の予測のPR曲線AUCを、改良前のそれぞれ0.60、0.40から、改良後には0.70、0.90まで上昇させることに成功した。このモデルについては論文投稿の準備中である。 また、次年度のオミックス解析の準備として、分割期胚のシングルセル解析の公開データセットを検討した。結果、分割胚の割球による差異が少ないため、シングルセル解析ではなく、bulkで十分検討できることがわかった。一方で、4cellと8cellではステージによる遺伝子発現に差があるため、8cellのみを使用した解析を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年の計画は、タイムラプス画像を用いた形態良好胚盤胞および形態不良胚盤胞の予測モデルを改良であった。この点について十分な改良が得られた。 また、2024年度以降に予定していたオミックス解析についても、公開データを用いた予備検討が進んでおり、計画以上の進行状況である。
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今後の研究の推進方策 |
良好胚および不良胚の正数性率はそれぞれ40-50%、25%程度との報告がある。この事実と上記の予測モデルの精度から、予測良好8細胞期胚12-17個、予測不良8細胞期胚24-28個を解析すれば、外れ値となった胚を除いても5個ずつのデータが得られると考えられる。そのため、上記の個数でbulkのオミックス解析を施行すべく、準備を行う。具体的にはマウスの8細胞期胚でのRNA抽出を行い、条件検討を行ったうえで、ヒト胚でのRNA抽出を行う。両群の比較から良好胚の発生に重要な遺伝子やpathwayを同定を目指す。
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