• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

卵巣がんにおけるRNA結合蛋白質・非コードRNA複合体の同定、機能解明と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K08837
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56040:産婦人科学関連
研究機関地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)

研究代表者

竹岩 俊彦  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (20635643)

研究分担者 長谷川 幸清  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30534193)
井上 聡  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (40251251)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード卵巣がん / RNA結合蛋白質 / 非コードRNA
研究開始時の研究の概要

本研究では、卵巣がん臨床検体及び患者由来卵巣がん細胞 (卵巣がんPDC)を用いたRNAシーケンス解析及び細胞生物学的解析から、卵巣がんの悪性化に関わるRNA結合蛋白質・非コードRNA複合体を同定し、そのメカニズムを生化学・分子生物学的手法にて解明する。独自に作製・構築した卵巣がんPDC異種移植モデル (PDCX)、患者由来異種移植モデル (PDX)、また卵巣がん患者コホートを活用し、複合体の臨床的意義・患者予後予測における有用性を解明し、新規診断・治療標的への応用に向けた前臨床的研究を行う。

研究実績の概要

本研究は、卵巣がんの悪性化に関与する新規RNA結合蛋白質・非コードRNA複合体の作用メカニズムを解明し臨床応用を目指すことを目的とする。現在までに卵巣がん細胞を用いた生化学・分子生物学的解析および次世代シーケンス解析をもとに、RNA結合蛋白質や非コードRNAの関わるRNA制御が高異型度漿液性卵巣がんの悪性化・進展に関わることを示唆するデータを得た。本成果と関連して、第82回日本癌学会学術総会において発表し、国際英文誌であるRNA Biology誌より総説論文1報を刊行した(Takeiwa T et al., RNA Biology, 21, 1-17, 2024)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに、公共データベースを用いた卵巣がん臨床検体データの解析、および卵巣がん細胞を用いた生化学・分子生物学的解析より、卵巣がんの最も主要なサブタイプの一つである高異型漿液性卵巣がんの悪性化に関わる新規因子としてα-dystroglycanの糖鎖修飾に関わる酵素であり、先天性筋ジストロフィーの原因遺伝子であるO-linked-mannose β-1,2-Nacetylglucosaminyltransferase 1 (POMGnT1)を同定した。POMGnT1特異的siRNA核酸製剤を用いたPOMGnT1の発現抑制実験を行い、POMGnT1が高異型度漿液性卵巣がん細胞の増殖およびアポトーシスの調節にかかわることを明らかにした。一方で、POMGnT1の過剰発現は高異型度漿液性卵巣がん細胞の増殖を促進した。POMGnT1とRNA制御の関連について明らかにするため、POMGnT1の発現抑制が遺伝子発現に及ぼす影響を次世代シーケンサーにより解析したところ、RNA制御に関わるパスウェイが抽出され、RNA制御と高異型度漿液性卵巣がんの悪性化の関連が示唆された。このように、高異型度漿液性卵巣がんの悪性化に関与する新規因子の同定と、そのRNA制御を介した卵巣がんの悪性化メカニズムを示唆する成果を上げられており、本研究は概ね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

令和5年度の成果をもとに、卵巣がんの悪性化に関わるRNA結合蛋白質・非コードRNA複合体を同定し、RNA制御機構ならびにそれら複合体と構成因子の役割を解明するための研究を継続して行う。卵巣がん細胞の次世代シーケンス解析・エピゲノム解析や、卵巣がん細胞を用いた生化学・分子生物学的解析をさらに進め、RNA結合蛋白質・非コードRNA複合体の新規同定とそのRNA制御、分子作用メカニズム解明を進めていく。また、公共データベースを活用して、RNA結合蛋白質・非コードRNA複合体に関連する遺伝子の卵巣がんにおける発現プロファイルおよび患者予後に関するデータを統合して解析することや、患者由来モデルを含む卵巣がん異種移植マウスモデルを用いてRNA結合蛋白質・非コードRNA複合体がin vivoでの機能解析を進めていくことを予定している。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Role of RNA binding proteins of the <i>Drosophila</i> behavior and human splicing (DBHS) family in health and cancer2024

    • 著者名/発表者名
      Takeiwa Toshihiko、Ikeda Kazuhiro、Horie Kuniko、Inoue Satoshi
    • 雑誌名

      RNA Biology

      巻: 21 号: 1 ページ: 1-17

    • DOI

      10.1080/15476286.2024.2332855

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] A potential tumor-promoting role of glycosyltransferase POMGnT1 in high-grade serous ovarian cancer(高異型度漿液性卵巣がんにおける糖転移酵素POMGnT1の腫瘍促進因子としての役割)2023

    • 著者名/発表者名
      竹岩 俊彦、今江 理恵子、萬谷 博、池田 和博、堀江公仁子、井上聡
    • 学会等名
      第82回日本癌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi