研究課題/領域番号 |
23K08844
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三木 梨可 名古屋大学, 医学系研究科, 客員研究者 (30516133)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 妊娠高血圧症候群 / EVT / 絨毛膜外栄養膜細胞 / 線溶系 / 浸潤 / 胎盤 / Notchシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠高血圧腎症は全妊娠の10%に発症し、高血圧、タンパク尿を呈するだけでなく、HELLP症候群、子癇、胎児発育遅延などを引き起こし命にかかわる疾患である。現在のところ有効な治療法は児の娩出であり、早期診断マーカーや治療薬に繋がる新たな知見が期待されている。これまでにスフィンゴシン1リン酸(S1P)レセプターがEVTの浸潤を正負に抑制することを明らかにした。S1Pレセプターの発現変化と細胞密度が連動していたことから細胞間シグナル伝達経路のNotchシグナルに着目した。そこでNotchシグナルがS1Pレセプターを介してEVTの浸潤促進と停止を制御しているか検証する。
|
研究実績の概要 |
妊娠高血圧腎症は、絨毛膜外栄養膜細胞(EVT)の浸潤低下が起因となり胎盤が低酸素状態に陥り母体の血管内皮障害により高血圧を示すとされている。このEVTの浸潤低下により胎盤低形成が生じ子宮内胎児発育遅延が起きるとされる。 これまでにin vitroにおいてリゾリン脂質のスフィンゴシン1リン酸(S1P)が線溶系のプラスミノーゲン活性化アクチベーターとプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター-1を制御していることを明らかにした。S1Pレセプターの発現変化と細胞密度が相関していることから細胞間シグナル伝達経路のNotchシグナルに着目した。そこで本研究ではNotchシグナルがS1Pレセプターを介してEVTの浸潤促進と停止を制御しているか検証した。 レトロウイルスを用いてNotch3遺伝子強制発現HTR8/Svneo細胞を作製した。Notch3遺伝子強制発現HTR8/Svneo細胞においてS1Pレセプター1の発現は低下し、S1Pレセプター2発現は亢進していた。またプラスミノーゲン活性化アクチベーターは低下しプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター-1の亢進も観察された。さらにNotch標的遺伝子の既知のbHLH型抑制性転写因子のうち、HES1の亢進が観察された。そこでHES1強制発現HTR8/Svneo細胞を作成した。しかし作製したHES1強制発現HTR8/Svneo細胞ではS1PR1および2の発現や浸潤能に変化がみられなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
試薬の輸入が大幅に遅れたため実験計画が遅れている。また研究施設の閉鎖に関連した研究以外の業務の増大によって、本研究にさける時間が予想外に少なくなったため、進捗は芳しくない。
|
今後の研究の推進方策 |
HES1以外のNotch標的遺伝子の同定を行い、強制発現細胞の作製を行う予定である。妊娠高血圧症候群の胎盤と正常胎盤におけるNotch3の免疫染色を行い疾患とNotch3の関連について解析を行う予定である。
|