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カニクイザルを用いたがん妊孕における凍結卵巣による妊孕性温存療法の課題解決研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K08845
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56040:産婦人科学関連
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

村上 節  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20240666)

研究分担者 辻 俊一郎  滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (30601546)
花田 哲郎  滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30757216)
林 香里  滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (70569251)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード卵巣凍結 / がん妊孕
研究開始時の研究の概要

がんサバイバーの妊孕性温存療法は、令和4年度より小児・AYA 世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業として、ついに国家戦略に位置づけられた。これに伴い、全都道府県で受け皿が整備され、今後一層普及が進むと予想される。妊孕性温存療法の中でも卵巣の凍結保存は、いまだ研究的要素が大きく、①卵巣再移植の適切な方法が確立されていない、②移植卵巣組織に悪性細胞が含まれる可能性があるなど、解決されるべき課題が残っている。本研究は、本学が保有するカニクイザルを用いて、本来ヒトへの臨床応用の前に行われるべき霊長類による課題解決に取り組むものである。

研究実績の概要

適切な卵巣凍結条件の設定を確立するため、年齢6歳齢、月経周期を確認した性成熟期の安楽死サル個体より両側卵巣を摘出して、卵巣凍結を実施した。すなわち、麻酔下にチオペンタールによる心停止後、開腹下に子宮および両側附属期を摘出した。摘出した子宮および卵巣組織の一部(Fresh群)を直ちにホルマリン固定を行った。
摘出した卵巣はメスにて半割の上髄質を除去して皮質を薄いシート状とし、最終的に5×5×1mmに細切した。これらをcontrol群とRapamycin添加群(添加濃度を低濃度群および高濃度群の2群とした)に3群にわけて一時保管した。
凍結にはCryotissue kit(kitazato) によるガラス化法を用いた。すなわち、付属の凍結液であるCryo1に5分、Cryo2に5分、Cryo3に15分の順で浸漬し平衡化を行った。浸漬が完了した卵巣組織を卵巣凍結用のクローズドデバイスに乗せ、液体窒素へ投入し超急速に冷却した。卵巣組織が半透明にガラス化している事を確認し、液体窒素中で密閉後、-80度で保管した。
Fresh群としてホルマリン固定を行った卵巣とシート状の皮質はそれぞれHE染色を行い、正常の卵胞発育を確認した。また、子宮に関してもHE染色を行い、正常な子宮内膜が発育している事を確認した。
現在のところ凍結卵巣の融解には至っていないが、今後もまずは卵巣の凍結を進め、設定条件の違いによる凍結融解のもっとも効率のよい条件を検討していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初は生体からの卵巣摘出を計画していたが、サルを用いた研究の増加と急激な円安によるサルの輸入価格の高騰もあって、卵巣凍結の対象個体を安楽死個体に求めている状況である。雌の性成熟期で、性腺には影響がない安楽死個体は限られており、研究の進捗に影響が出ている。

今後の研究の推進方策

安楽死個体のほか、本研究の対象となり得る利用可能な生体サルも探索し、引き続きサルの卵巣凍結を継続実施し、症例を蓄積する。
また、時機を見て、現在凍結保存中の卵巣組織の融解にも着手し、原始卵胞、一次卵胞、二次卵胞、胞状卵胞の数を確認する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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