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CRISPR-Cas9によるスピーディかつ汎用性の高い卵巣がんモデルマウスの樹立

研究課題

研究課題/領域番号 23K08846
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56040:産婦人科学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

中村 幸司  大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (00900151)

研究分担者 澤田 健二郎  大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00452392)
小玉 美智子  大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70791391)
橋本 香映  大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90612078)
木瀬 康人  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90778531)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード卵巣がん / HGSC / マウスモデル / GEMM / CRISPR-Cas9 / GWAS / CRISPR-Cas9c / 遺伝子改変モデルマウス
研究開始時の研究の概要

卵巣がん研究に広く活用できる新たなGEMMの樹立を目指して、我々は遺伝子改変技術CRISPR-Cas9と高効率なES細胞への遺伝子ターゲティングを技術的な核として、従来より大幅に開発期間を短縮し、標的遺伝子を自在に変更できる新規卵巣がんGEMMを樹立する実験計画を立案した。
我々は国際卵巣がん疫学研究グループと共同で、卵巣がんのゲノムワイド関連研究により卵巣がんリスク遺伝子座にある新規ドライバー遺伝子を同定し機能解析を進めており、新規GEMMを用いてこれらの遺伝子の卵巣がん発生、進展における機能を解明し、新規治療戦略の足掛かりとしたい。

研究実績の概要

ヒトのがんの遺伝学的、病理学的特徴を忠実に再現した遺伝子改変マウスGEMMs (Genetically Engineered Mouse Models) はがんの発生、進展、転移メカニズムの解明に大きく寄与してきた。しかしながら、コンディショナルノックアウトマウスの交配を繰り返し標的細胞に目的の遺伝子変異を誘導する、従来の手法で生み出されるGEMMs(従来型GEMMs)は、単一のモデルを樹立するだけでも莫大な時間と費用がかかるという大きな弱点がある。卵巣がんの中でも頻度、悪性度が最も高い高異型度漿液性腺癌HGSC(High Grade Serous Ovarian Carcinoma)はその95%にTP53変異を持つだけでなく、実に多様な遺伝子変異を認め、変異遺伝子を柔軟に変更できない従来型GEMMsの開発が特に困難な癌腫である。このような 問題を克服し、卵巣がん研究に広く活用できる新たなGEMMの樹立を目指して、我々は遺伝子改変技術CRISPR-Cas9と高効率なES細胞への遺伝子ターゲティングを技術的な核として、開発期間を短縮し、標的遺伝子を自在に変更できる新規卵巣がんGEMMを樹立する実験計画を立案し、別に研究を進めている新規卵巣がん遺伝子の卵巣がん発生、進展における機能解明を目指している。今年度は様々な遺伝子変異を誘導するためのベースとなる、HGSCに高頻度に発生するとされる、TP53、Pten、BRCA1の機能欠失型変異をCRISPR-Cas9により誘導するGEMMの樹立を目指して研究を進めてきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

上記概要の通り、今年度は様々な遺伝子変異を誘導するためのベースとなる、HGSCに高頻度に発生するとされる、TP53、Pten、BRCA1の機能欠失型変異をCRISPR-Cas9により誘導するGEMMの樹立を目指して研究を進めてきた。しかしながら、このベースとなるモデルの樹立は下記理由により難航している。まずミシガン大学より供与された、卵巣癌でタモキシフェン誘導性に卵管上皮特異的にCreを発現するOvgp1-iCreERT2ノックインマウスはホモでは胎生致死となることが判明した。今回のGEMM作製に当たり、他の構成要素(Cre誘導性のCas9発現アレル及びTet-onシステムアリル)も含め全てホモのマウスを作成し、目的の遺伝子をCRISPR-Cas9システムでノックアウトするためのsgRNAターゲティングベクターを導入したキメラマウスと交配し、全ての変異アリルをヘテロで内包するマウスを作成する予定であったが、Ovgp1-iCreERT2マウスがホモで作成できないことにより、目的のGEMMの樹立できる確率が大幅に低下した。さらに樹立したGEMMにおいて卵巣がんの発生が予想される次期でマウスを安楽死させ、組織回収を行ったが、全てのマウスにおいて卵巣がんを疑う病理学的所見を認めず、原因を調べたところ、スタンフォード大学より供与されたCre誘導性Cas9アレルが何らかの理由で機能せず、Cas9が発現しないことが判明した。これらの理由によりベースとなるマウスのvalidationが未だ終了していない。

今後の研究の推進方策

マウス樹立の効率が大幅に低下したことに対しては、Ovgp1-iCreERT2に変わるものを利用する、例えばPax8-CreERT2が考慮されるが、まずは交配するマウスの数を大幅に増やすことを検討している。またCre誘導性Cas9アリルが機能しなかったことについては、原因を究明中である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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