研究課題/領域番号 |
23K08863
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
安藤 大史 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (80722925)
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研究分担者 |
浅香 亮一 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (00623688)
宮本 強 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (70418721)
田中 泰裕 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (80869941)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | トロホブラスト / 酸化ストレス耐性 / マクロライド / アジスロマイシン / NRF2 / 抗酸化酵素 / 栄養膜細胞 / 妊娠高血圧腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
肺胞細胞において、マクロライドの酸化ストレス耐性作用が報告されている。そこで本研究では胎盤の栄養膜細胞におけるマクロライドの酸化ストレス耐性作用を検討し、妊娠高血圧腎症(PE)の新規治療法開発を目指す。培養細胞を用い、過酸化水素による酸化ストレス下で、マクロライドによる細胞生存能、抗酸化酵素発現、活性酸素種(ROS)量や酸化ストレスマーカー発現への影響を検討する。またPEマウスモデルを用い、マクロライドのPE発症や予後への影響を検討する。マクロライドの有用性が確認されれば、ドラッグリポジションの観点からも注目される。
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研究実績の概要 |
妊娠高血圧腎症(preeclampsia: PE)は母児の生命に関わる重大な妊娠合併症であるが、唯一の有効な治療方法は妊娠の終了であり、治療法の開発は急務である。その発症機序として、酸化ストレスによる胎盤のトロホブラストの障害が注目されており、酸化ストレスの軽減はPE発症を抑制する可能性がある。一方、びまん性汎細気管支炎に対し長期低用量マクロライド(MA)療法の有効性が確認され、MAが肺胞細胞の酸化ストレス耐性を高めることが報告された。そこで、トロホブラストの酸化ストレス耐性に対するMAの効果を、培養細胞を用いて検討した。細胞株は絨毛癌細胞株JAR、JEG3と不死化トロホブラスト株HTR8/Svneoの3種を、酸化ストレスは過酸化水素(H2O2)、MAとしてアジスロマイシン(AZM)を用いた。細胞生存能をWST-1アッセイで検討したところ、3種の細胞全てでH2O2により低下した細胞生存能を、AZMは濃度依存性に回復させた。酸化ストレス応答のキー因子であるNRF2に注目すると、酸化ストレス下でのAZM投与によりNRF2 mRNA発現が増加し、NRF2タンパクの核発現が増強した。さらに同様の条件下でNRF2の下流因子である抗酸化酵素HO-1やNQO1、GPX1の発現増強が観察されたが、それら発現増強はNRF2阻害薬ML385投与により相殺された。また、AZMによる酸化ストレス耐性増強作用はML385投与により相殺された。これらにより、AZMはNRF2発現増強を介して、トロホブラストの酸化ストレス耐性増強に寄与する可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マクロライドであるアジスロマイシン(AZM)が、トロホブラストの酸化ストレス耐性を増強することを、複数の絨毛癌・トロホブラスト系の細胞株で繰り返し確認することができている。そのメカニズムとして、NRF2発現増強を認めており、その下流因子の発現増強およびNRF2阻害薬でAZMの酸化ストレス耐性増強作用が相殺されることから、NRF2が関与することも明らかにできている。研究は順調に計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
基本的に実験計画通りに進める。酸化ストレス下でAZMにより細胞内の活性酸素種(ROS)が減少するか、確認する。妊娠高血圧腎症(PE)の発症にはトロホブラストの浸潤不全が関与するとされることから、In vitro実験モデルで、AZMがトロホブラストの浸潤能に影響するか検討する。また、計画通り、動物実験モデルを検討する。
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