研究課題
基盤研究(C)
環境中の微粒子であるアスベスト、タルクと卵巣がんの関連性は疫学調査によって指摘されてきたものの、実験動物による実証はなされておらず、これらの物質が生体内で引き起こす発がんメカニズムも不明であった。このような背景の中、研究代表者は齧歯類を用いた発がん実験によってアスベスト、タルクの卵巣における発がん性をこれまでに示してきた。本検討ではこれらの物質による卵巣発がんの分子細胞学的なメカニズムをタンパク質等の「吸着性」に着目して明らかにする。今回着目する「吸着性」は多くのナノマテリアルが持つ性質であるため、その生体への影響を明らかにすることは安全なナノマテリアルの開発・運用に貢献するものと考えている。