研究課題
基盤研究(C)
妊娠高血圧症候群は母子共に異常を伴う治療が困難な疾患である。本病態では胎盤の低酸素により母体の血管内皮障害や慢性炎症が誘導されると考えられているが、詳細な機序は不明である。これまで、自然炎症を制御するNLRP3インフラマソームが胎盤炎症や妊娠高血圧に関与することが明らかになってきている。本研究では、パイロトーシスを制御するNLRP3やGSDMD/GSDMEを中心として、妊娠高血圧症候群発症において新規細胞死から放出される細胞外小胞の重要性を解明する。本研究で胎盤の異常な細胞死がメッセージとなり妊娠高血圧症候群を引き起こすという概念を構築し、母体と子を救済する治療方法の開発に繋がることが期待される。