研究課題/領域番号 |
23K08901
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
城 玲央奈 近畿大学, 医学部, 助教 (30973234)
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研究分担者 |
角田 郁生 近畿大学, 医学部, 教授 (00261529)
松村 謙臣 近畿大学, 医学部, 教授 (20452336)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | HPVワクチン / アジュバント / 分子相同性 / マクロファージ性筋膜炎 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮頸癌はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で発症するが、HPVワクチンにより予防ができる。しかし、本邦ではワクチン接種後の神経症状を中心とした副反応への懸念から、接種率が低い。この「副反応」の原因として、①HPV蛋白とヒト蛋白に分子相同性があるため自己抗体が誘導される、②ワクチンに含まれるアジュバントが免疫反応を過剰に活性化し神経障害を起こす、という仮説が挙げられている。本研究では、ワクチンのマウスへの接種実験と、HPV蛋白とヒト蛋白の分子相同性の解析によりこれらの仮説を検証する。本研究により、HPVワクチン接種で起こり得る事象に関する科学的データを提供し、接種率の向上に繋げたい。
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研究実績の概要 |
1)HPVワクチンに含まれるアルミニウム(Al)アジュバントが免疫反応を活性化し中枢神経障害が誘導されるかを検討するために、HPVワクチンとHPVワクチンと同じアジュバントを含むワクチンをマウスに筋肉内注射により接種させた。サーバリックス(HPV2価ワクチン、水酸化AlとMPL[モノホスホリピッドA]を含む)、ガーダシル(HPV4価ワクチン、硫酸Alハイドロキシホスフェートを含む)と、ビームゲン(水酸化Alを含む)ヘプタバックス(硫酸Alハイドロキシホスフェートを含む)、シングリックス(MPLを含む)、PBSを4週間毎に計3回、C57B/6雌マウスに筋肉内接種した。Alアジュバントを含むサーバリックス、ガーダシル、ビームゲン、ヘプタバックス投与群では、接種部位の筋肉に炎症細胞の浸潤を認め、F4/80陽性のマクロファージが存在した。一方、Alアジュバントを含まないシングリックスとPBS投与群には変化が生じなかった。いずれの群でも中枢神経に脱髄や炎症はなかった。シングリックス投与群でのみワクチン接種後に体重減少が観察されたが、神経症状を含む他の症状は認められなかった。以上から、接種部位の局所の炎症はHPVワクチン特異的ではなく、Alアジュバントを含むワクチンの筋肉内接種による生理的な局所変化であることが示唆された。また、局所の炎症があったとしても中枢神経の障害とは関連しないことが分かった。 2)HPV L1タンパクとヒトのタンパクの分子相同性についてデータベースを用いたコンピューター解析を行ったところ、HPV L1のエピトープはヒトのタンパク中には同定されなかった。また、HPV L1のエピトープ中のアミノ酸5個の配列はヒトのタンパク中に同定されたが、コンピューター上で作成されたランダム配列やB型肝炎ウイルスのエピトープ中にも存在していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)マウスへのHPVワクチンの投与実験によって接種部位局所の変化、中枢神経の変化を評価した。 2)HPV L1タンパクとヒトのタンパクの分子相同性説に関して、コンピューター解析による検討を行った。 1、2の結果について学会発表を行い、現在論文発表の準備中である。当初の想定と概ね合致した進捗状況であり、研究は順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はマウスのHPVワクチン投与実験で得られた血清サンプルを用いて炎症性サイトカインを測定する実験方法を確立する予定である。また、「自己免疫素因のある個人」を模倣したモデルシステムである 2D2 マウスにHPVワクチンを接種させることで、自己免疫素因がHPVワクチンの副反応と関連するかを検討する予定である。
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