配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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研究開始時の研究の概要 |
耳鼻科外来患者の10%にも関連すると言われる咽喉頭逆流症(LPRD)は,診断が難しく治療に難渋する場合が多い. 本研究の目的は,咽喉頭逆流の測定を可能とした下咽頭インピーダンス検査により確定診断されたLPRDと非LPRD症例の喉頭内視鏡画像をもとに特徴的所見を検討し,人工知能を用いたLPRD診断支援システムを開発することである.一般外来で診断を可能とするLPRD検査法を開発することができれば,早期に適切な治療を提供でき,過剰なプロトンポンプインヒビターや追加検査に必要な医療費削減に大きく寄与する.
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研究実績の概要 |
咽喉頭逆流症(LPRD)は,胃内容物の逆流が咽喉頭まで到達し,咳嗽・音声障害・咽喉頭違和感・慢性咽頭痛などの様々な症状を誘発する疾患であり,耳鼻科外来患者の10%程度に関与していると言われている。しかし,胸焼けや呑酸などの胃食道逆流症の典型症状を伴わないことが多く,上部消化管内視鏡検査で逆流性食道炎を伴わないことが多く,また,プロトンポンプインヒビターの効果が低い場合もあり,その診断は難しい. 本研究では,喉頭所見を客観的に評価し,LPRD診断を可能とするべく計画された. 問題点の1つは,これまでLPRDの確定診断ができなかったため,特異的なLPRD喉頭所見が不明であった点である. 本研究では,LPRを実際に計測することができる24時間下咽頭インピーダンス検査を用いて,LPRD確定診断症例と,LPRDが否定された症例,さらには無症状健常者のコントロール症例から,特異的なLPRD喉頭所見を特定する. 令和5年度は,LPRD確定診断80症例, LPRDが否定された症例50症例,無症状症例20例を得ることができた.1症例につき,静止画及び動画を撮影し,動的な所見も評価に入れることで,LPRDの特異的な喉頭所見を見つけ出す. また,別の問題点として,喉頭所見の判断は医師の主観に任されていた事にあった.本研究では人工知能が客観的に解析し,LPRD診断を行うことを目的としている.令和5年度は,今後行うマルチモダリティ深層学習モデルの設計に使用するために,上記症例のアノテーションを実施した. またこれまで実施されていたReflux Finding Scoreも同時に採取し, これまでのスコアリングシステムとの比較もできるようにしている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LPRを実際に計測することができる24時間下咽頭インピーダンス検査を用いて,LPRD確定診断80症例, LPRDが否定された症例50症例を得ることができ,今後行うマルチモダリティ深層学習モデルの設計に使用するために,アノテーションを実施した.
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