研究課題/領域番号 |
23K08908
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
杉本 寿史 金沢大学, 医学系, 准教授 (20547179)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 耳小骨連鎖不全 / 耳小骨連鎖異常 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究により、1.耳小骨連鎖異常症例における固着と離断の鑑別、2.耳小骨固着および離断の定量、3.耳小骨固着および離断の部位同定、以上の術前診断を実現可能とする。 この3項目を実現させることで耳小骨連鎖異常の正確な術前病態予測とそれに基づく治療アルゴリズム立案の実現化を可能とする。具体的な例を挙げると耳硬化症の場合、推測されるアブミ骨底板固着の程度によって術前にsmall fenestra stapedectomyとstapedectomyの術式選択が可能となる。また中耳奇形のケースでは、その病変部位により、アブミ骨手術の有無を含めた連鎖再建の術式決定が可能となる。
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研究実績の概要 |
富山市民病院倫理審査委員会にて承認を得、承認済の金沢大学医学倫理審査委員会を含めて、2施設による他施設共同研究体制を構築した。その結果2施設に受診した37例(43耳)においてSFI/WFIを用いて計測した。手術を行い確定診断に至った27例30耳(術前固着疑い20耳例、術前離断疑い10耳)において下記の項目の解析を行った。①WFIおよびSFIによって計測される音圧カーブ(SPLカーブ)。②上記の音圧カーブから推測される可動分布点。③術前聴力検査(3分法)。④手術所見による確定診断。⑤WFIおよびSFIによる術前予想と手術所見による確定診断との整合性。さらに健聴成人として金沢大学の学生および職員(22.7 ± 4.7歳)24例47耳のデータを集積した。47耳(健聴成人)、20耳(耳小骨固着)および10耳(耳小骨離断)の音圧カーブから得られる可動分布点および中耳動特性マップを作成した。今回析した現状のマップによる評価では固着、離断、正常耳の範囲に傾向はあるもののオーバーラップ範囲が広い結果となった。この原因として、1,正常・離断・固着を Yes/No で評価していること。2,マップ上に全項目の範囲を付置してしまい、病変(離断,固着)の間で比較していること。3,ΔSPL・RFの 95%区間(平均±1.96 SD)を結んでいるため,外れ値の影響が反映されている。以上の3点が挙げられた。今後の解析方針として、Yes/No で評価せず,各病変に対する重みを計算(例えば % 表現)する予定とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね予定通りの症例数の集積と解析が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
正常と固着にオーバーラップ範囲が広いものとなったが、この問題を解決するために現在、クラスタ重心からの距離の逆数などを算出し、機械学習でクラスタリング を行うシステムを開発中である。正常・離断・固着を Yes/No で評価せず,各病変に対する重みを計算し、例えば % 表現などで表す予定としている。
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