研究課題/領域番号 |
23K08925
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
萩森 伸一 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (90291799)
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研究分担者 |
仲野 春樹 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (10444027)
乾 崇樹 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (60465614)
綾仁 悠介 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (80816380)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 顔面神経麻痺 / 後遺症予防 / 顔面神経核 / 三叉神経 / 表情筋マッサージ / エビデンス / 後遺症 / リハビリテーション / マッサージ / 中枢 |
研究開始時の研究の概要 |
Bell麻痺やHunt症候群などの顔面神経麻痺は75%が治癒するが、残りの25%は治癒せず、病的共同運動や顔面拘縮などの後遺症が生じ、生活の質を著しく低下させる。後遺症予防にはリハビリテーション、特に発症早期の顔面表情筋マッサージ(以下、表情筋マッサージ)が有効とされる。しかし、表情筋マッサージの作用メカニズムや生理学的効果は全く解明されていない。つまり表情筋マッサージは基礎的エビデンスに乏しいまま臨床応用されている実情がある。 本研究では動物モデルを用い、継続した表情筋マッサージによる顔面神経核や神経再生、後遺症抑制のメカニズムを明らかにし、エビデンスの確立と臨床応用を目指す。
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研究実績の概要 |
Bell麻痺やHunt症候群を代表とする顔面神経麻痺は、集学的治療にて75%は治癒するが、残りの25%、約10,000人は治癒に至らず、眼と口が連動する病的共同運動や顔面拘縮などの後遺症に生涯にわたって生活の質を著しく低下させる。後遺症の予防にはリハビリテーションとされるが、その基礎的研究はほぼ成されていないのが現状である。本研究では顔面神経麻痺の動物モデルを用い、表情筋マッサージによる三叉神経入力の顔面神経核への影響を観察し、EBMに基づく最適なリハビリテーション開発への応用を目指している。 顔面神経麻痺モデルを作製し、表情筋マッサージによる三叉神経入力の顔面神経核への影響を評価し、顔面神経麻痺に対するマッサージ効果のエビデンス確立を目指した。動物モデルは顔面神経本幹のクリッピングあるいは切断後縫合したモルモットを用いた。麻痺後1日30分の顔面マッサージを施行したモルモット麻痺モデルに対しては、三叉神経入力によるBlink reflexをビデオ撮影し、病的共同運動出現の有無を確認している。顔面神経麻痺時の顔面神経核興奮を電気生理学的に観察する目的でBlink reflexの際のF波の測定を試みたが、再現性のある波は得られていない。これらのモルモットの脳組織切片を作製し、顔面神経核の位置を同定後、神経活動マーカーのc-fosの免疫染色を行い術側と健側の顔面神経核でのc-fos陽性神経細胞数を比較した。その結果、麻痺側では健側に比べc-fos陽性細胞数が減少した個体を認めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
顔面神経麻痺側の顔面神経核では健側に比べc-fos陽性細胞数が減少しているが、切断面ごとの差も大きかった。このため、顔面神経核全体の活動性・興奮性の評価方法として同一個体から複数のスライスの合計による評価が適切であると考えられ、さらに検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
c-fos免疫染色による顔面神経核の興奮性の評価として、既存のサンプルを用いてスライスの数を増やして顔面神経核全体の評価を行う。さらに同条件で麻痺のないモルモットを作製し、コントロール群として同様の評価を行い、両群を比較する予定である。また、電気生理学的な評価法の改良も引き続き継続する。
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