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ヒト嚥下筋の組織学的検討―多施設共同研究によるサルコペニアの嚥下障害の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K08949
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
研究機関愛知医科大学

研究代表者

巨島 文子  愛知医科大学, 愛知医科大学, 客員研究員 (70972785)

研究分担者 久保田 暁  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30771589)
清水 潤  東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (40260492)
藤本 保志  愛知医科大学, 医学部, 教授 (40344337)
杉山 庸一郎  佐賀大学, 医学部, 教授 (50629566)
國枝 顕二郎  岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (50701885)
平野 愛  東北大学, 大学病院, 助教 (60596097)
森 健一  岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (80823666)
椋代 茂之  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00821860)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード筋病理 / 嚥下筋 / 頭頚部外科手術 / 凍結標本 / サルコペニア
研究開始時の研究の概要

超高齢社会にある本邦では嚥下障害の患者数が増加して社会的、医療経済的問題になっており、高齢者ではサルコペニアに伴う嚥下障害が注目されている。サルコペニアの病態解明がなされつつある一方、嚥下障害については十分な研究がなく、病態の解明や治療法の開発のためにはサルコペニアの嚥下筋の筋病理を検討することが急務である。しかし、その基礎となるヒトの嚥下筋に関する組織学的研究が少なく、まずは正常の嚥下筋の組織学的検討を行う必要がある。本研究では凍結標本を作製して免疫染色など様々な解析方法を行い、疾患の病態を解き明かすことを目指している。

研究実績の概要

まず、参加施設が東京大学に集まり、条件が均一でアーチファクトなく嚥下筋の凍結検体が作製できるように会議と手技確認を行った。倫理申請が通過した施設より検体収集を開始した。術前に嚥下・栄養評価を行い適応を確認した。合計6例(男性6例、女性1名、25歳~80歳)より14筋(頤舌骨筋6筋、輪状咽頭筋3筋、胸骨舌骨筋5筋)の正常例の検体を採取し、凍結処理をおこなった後に東京大学に送付し病理検討のための処理をおこなった。本検討の目的のためには、筋線維が横断面で評価できるように方向性がそろい、アーチファクトなく凍結検体が作製できていることが重要である。検体の状況はおおむね良好であったが、切片内で筋線維間の離開を示す検体もありこれらに関しては、原因を確認し改善を要する。
凍結検体の検討では、現在、7例(11筋)にHE染色とミオシンATPase染色を終了している。そのうち5筋(頤舌骨筋3筋、胸骨舌骨筋2筋)において、計測線維数総計250本以上を用い(259~444本)筋線維のType1, Type2A, Type2B別のごとの頻度測定と線維径のヒストグラムの計測を終了した。筋線維数はType1<Type2であったが、Type2A,とType2Bの割合が症例のより異なり、ミオシンATPase染色に関連するテクニカルなものか、症例ごと筋ごとの差が存在するのかは症例数を増やして検討する必要がある。また、全筋を通じてType1線維の径が小径側にシフトしていた。一方、頤舌骨筋1筋(73歳男性)においてタイプ群化を疑う所見があり、高齢に伴う変化なのか全身性の合併症が関係しているかが問題になった。輪状咽頭筋は3筋(76歳、60歳、80歳)得られているが、筋線維の大小不同がめだち、脂肪化のめだつ症例(80歳)もあった。輪状咽頭筋が特殊なのか、全身性の合併症が関係しているかについての検討が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は、検体作製の用の物品購入、検体輸送費、標本作製用試薬、画像解析に研究費を用いた。当初予定していたより、症例数検体のエントリーが遅れているため、症例の処理にあわせて使用する物品の購入に遅れが生じているために、予定使用額が消費できていない。適切に症例エントリーをすすめていくことで、効率よく予算を使用していく。

今後の研究の推進方策

1)現在の時点で、頤舌骨筋と胸骨舌骨筋は比較的筋線維Typeごとの径と頻度は一定の傾向にあるようにみえるが、検討した輪状咽頭筋3筋の所見は一定していない。頤舌骨筋、輪状咽頭筋、胸骨舌骨筋の筋ごとの症例数を増やして検討する。
2)個々の症例の全身性の合併症(糖尿病、喫煙、飲酒、化学療法など治療歴、スタチン)に関しての情報も必要である。
3)病理検討のための参考情報として、嚥下筋の筋病理に影響を及ぼす因子に関して文献的な検索もおこなっていく。また、嚥下筋の“正常”の病理評価の参考とするため、嚥下筋を他の方法で評価することが可能ならその所見(MRI画像、針筋電図)の先行報告に関しても参考知識として確認していきたい。
4)その上でサルコペニア症例の嚥下筋採取を行う予定である。術前嚥下評価、栄養評価を行い、サルコペニアの診断を行う。病理所見と術前の栄養状態や廃用の有無、サルコペニアの有無等との関連を検討する。次に、放射線治療後症例の嚥下筋採取を行い、正常例との比較を行う予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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