研究課題/領域番号 |
23K08957
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
上野 貴雄 金沢大学, 附属病院, 助教 (30623649)
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研究分担者 |
吉崎 智一 金沢大学, 医学系, 教授 (70262582)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | IgG4関連疾患 / 嗅覚障害 / 2型炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
IgG4-RDモデルマウスの嗅上皮には形質細胞浸潤や線 維化は認めず、むしろ嗅上皮の厚みは低下し、成熟嗅神経細胞や幼弱神経細胞の減少を認め、 行動学的には嗅覚障害を呈していた。この結果から、嗅上皮の変化は2次的で中枢神経における2型炎症が嗅神経障害を誘発したことが示唆された。本研究では、IgG4RD における嗅覚障害の発生機序の解明を目的として、IgG4-RDモデルマウスの嗅球、海馬を 中心に解析し、2型炎症の嗅神経を含む中枢神経への影響を検討する。さらに、本疾患の治療 として有効な副腎皮質ステロイドや抗体製剤の中枢炎症に対する有効性、ならびに嗅覚障害 に対する有効性について検証する。
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研究実績の概要 |
IgG4関連疾患(以下、IgG4-RD)は、高IgG4血症と全身の諸臓器へのIgG4陽性形質細胞浸潤、線維化を主体とした疾患であり、耳鼻咽喉科領域では唾液腺腫脹腫を呈するTh2応答優位な慢性炎症性疾患である。 以前、我々はIgG4関連疾患患者における嗅覚障害の有病率が高いことを明らかにした。また、IgG4-RDモデルマウスであるLATY136FノックインマウスではTh2優位のサイトカイン産生と唾液腺や膵臓、肺におけるIgG4陽性形質細胞浸潤や肥厚、線維化が生じるが、嗅上皮には形質細胞浸潤や線維化は認めず、むしろ嗅上皮の厚みは低下し、成熟嗅神経細胞や幼弱神経細胞の減少を認め、行動学的には嗅覚障害を呈することを明らかにした。 臨床において、IgG4関連疾患には副腎皮質ステロイドが有効であることが知られているが、IgG4-RDモデルマウスであるLATY136Fノックインマウスにおいての効果は不明であった。 そこで、LATY136Fノックインマウスの嗅覚障害に対するステロイドの効果を検討した。LATY136Fノックインマウスは6週齢でIgG4-RD様の病変を示し始める。LATY136Fノックインマウスにおける嗅覚機能障害は、少なくとも8週齢までには存在する。本研究では、嗅覚機能障害が完成する前の4週齢からLATマウスに副腎皮質ステロイドを注射し、嗅覚機能障害の改善を観察した。これは副腎皮質ステロイドの予防効果によるものと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床的にIgG4関連疾患に対するステロイドの効果は報告されているが、そのモデルマウスにおけるステロイドによる病態改善の報告はこれまでなかった。論文化予定である。
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今後の研究の推進方策 |
嗅上皮や脳における組織学的検討を行う。
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