研究課題/領域番号 |
23K08979
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
八木 千裕 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (00837669)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 持続性知覚性姿勢誘発めまい / 慢性めまい / 重心動揺検査 / 視線追跡 / ビデオヘッドインパルステスト |
研究開始時の研究の概要 |
持続性知覚性姿勢誘発めまいは、持続的に存在する浮動感に加え、体動や視覚刺激により症状が増悪するという特徴を持つ慢性めまい疾患である。症候学的な診断基準は策定され、脳機能イメージング研究により少しずつ病態が明らかになりつつあるが、診断基準には検査所見の項目が盛り込まれておらず、臨床検査として簡易に利用できる他覚的検査がないことにより、診断に難渋することが多い。本研究では、広く臨床応用が可能な感度の高いスクリーニング検査ならびに特異度の高い鑑別診断検査を開発し、診断のための検査バッテリーを確立するとともに、国際的な診断基準への検査所見の付記を目指す。
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研究実績の概要 |
持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD) は、2018年にWHOの国際疾病分類ICD-11に新規収載された慢性めまい疾患であり、めまいの原因疾患のうち約20%を占める頻度の高い疾患である。診断基準が症状項目のみで検査項目がなく、診断にはある程度熟達した技術と診察時間を要し、見逃されている症例が多数存在する。本研究の目的は、指標を明確に定めた高感度のスクリーニング検査ならびに特異的な鑑別診断用検査を確立することであり、まずはスクリーニング検査としての有用性が期待される、新型重心動揺検査機器(メディカルフォースプレート)による姿勢計測を、PPPD患者21名及び健常者25名に対して施行した。その結果PPPD患者において、わずかな重心変位に対して過剰な姿勢制御反応が観察され、PPPDにおける体性感覚過敏を検出できる可能性が示された。この結果は、第82回 日本めまい平衡医学会総会にて一部発表し、現在英語論文として公表すべく準備中である。また並行して、特異的な鑑別診断用の検査を確立することを目指し、ビデオヘッドインパルステスト(vHIT)で用いる瞳孔解析装置の、改変・流用を試行中である。もともとPPPDでは、視線追跡装置を用いた自験例での検討において、視覚刺激後に有意に視線が不安定になる事象が明らかとなっていた。視線追跡装置は高額かつ汎用性が低いため、現時点で既に多くの施設で利用されているvHIT検査機器を、事象の抽出に応用できるよう目指していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、初年度のうちにスクリーニング検査および鑑別診断用検査として必要な装置を全て揃える予定であったが、スクリーニング検査としての有用性が期待される新型重心動揺検査機器の導入およびデータ収集・解析を優先的に行ったため、鑑別診断用検査として必要な装置の購入が遅れる形となった。以上の理由により、総合的に判断するとやや遅れているものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、鑑別診断用検査の導入・実施ならびにデータ取集に注力し、研究を推進していく。既にデータ解析が終了している新型重心動揺検査結果については、国際学会での発表ならびに英語論文としてのpublishを目指す。
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