研究課題/領域番号 |
23K08984
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤村 真太郎 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (50815751)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 音声信号処理 / 高調波 / 音声リハビリテーション / 音響分析 / Mixed Reality デバイス / 音声生成機構 |
研究開始時の研究の概要 |
「音声リハビリテーション(以下音声治療)」は音声障害の診療において重要な位置を占める治療法であるが、現在経験的に実施されている内容のエビデンスは限定的であり、品質のばらつきや、治療を実施する言語聴覚士の不足、治療アドヒアランス不良などの問題を抱えている。本研究の目的は、発声メカニズムと独自の技術に基づく音響学的分析を包括的に評価することで①科学的に音声治療を定式化し、②これに基づく音声治療のエビデンスを創出、③Mixed Reality技術を用いた治療支援機器開発につながる基礎的技術を確立することにある。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、発声メカニズムと独自の技術に基づく音響学的分析を包括的に評価することで科学的に音声治療を定式化し、これに基づく音声治療のエビデンスを創出、Mixed Reality技術を用いた治療支援機器開発につながる基礎的技術を確立することにある。 上記の基盤となる技術として、音声信号をもとに音声高調波の構造(声帯振動様式を直接反映した音声の特徴)を定量化する指標 Harmonics to Fundamental Ratio: HFRを算出するアルゴリズムを開発している。本アルゴリズムでは100msec程度の音声サンプルを用いて指標値を算出するため、時間解像度の高い解析が可能であることもその特徴の一つである。 この指標の有用性を測るべく、まず正常発声の母音および、各種声区による違い、病的音声における値の分布を調査した結果、声区や音声障害のメカニズムの違いにより、HFRが特徴的な傾向を示すことが確認できたため、結果を論文にまとめ投稿中である。 また既存の音響分析指標であるHNRとHFRを同時に算出し、これらを組み合わせて可視化するプログラムをAndroid スマートフォン上で実装した。このプログラムを利用して実際の音声リハビリテーションを可視化することにより、プロトコールの検討を開始している。上記と並行して、今後これらの訓練プロトコールを用いて自律的な音声リハビリテーションの実施が行えるよう、Mixed Realityデバイスへのプログラム実装を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基盤技術として、音声信号をもとに音声高調波の構造(声帯振動様式を直接反映した音声の特徴)を定量化する指標 Harmonics to Fundamental Ratio: HFRを算出するアルゴリズムを開発した。また既存の音響分析指標であるHNRとHFRを同時に算出し、これらを組み合わせて可視化するプログラムをAndroid スマートフォン上で実装した。このプログラムを用いて実際の音声リハビリテーション訓練プロトコールの解析を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究により開発したプログラムを用いて、現在当施設で実施されている音声治療のプロトコールを中心に、各種音声リハビリテーション訓練法の定量化、定式化を進める。またこれまでに計測したHFRの正常音声、病的音声における基準値等を参考とし、本指標をガイドとして用いる改良訓練プロトコールを作成する。 上記と並行して、これらの訓練プロトコールを用いて自律的な音声リハビリテーションの実施が行えるよう、Mixed Realityデバイスへのプログラム実装も進めていく。
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