研究課題/領域番号 |
23K08999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
岩井 大 関西医科大学, 医学部, 教授 (10232638)
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研究分担者 |
小林 良樹 関西医科大学, 医学部, 准教授 (10375298)
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70115947)
神田 晃 関西医科大学, 医学部, 教授 (70375244)
鈴木 健介 関西医科大学, 医学部, 准教授 (80533182)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / 加齢性難聴 / 老化促進モデルマウス / 免疫若返り / 酸化ストレス / 蝸牛 / 慢性炎症 / oxi-inflamm-aging / 骨髄移植 / 老人性難聴 / 健康寿命 |
研究開始時の研究の概要 |
人口老齢化で増加する老人性難聴は、社会的孤立、認知障害、うつ病を引き起こし社会問題となっているが、その予防法はいまだ確立していない。申請者らは胎児胸腺移植・若いドナーからのTリンパ球接種などの免疫改変(免疫若返り)操作で、加齢性難聴を予防できることを示してきた。宿主の免疫若返りは、加齢性免疫老化に伴う慢性炎症の遷延やこれに伴う酸化ストレス産生とDNA損傷の抑制で、臓器の老化を抑止する。そこで今回、臨床応用をめざし、骨髄細胞を早期老化・老人性難聴モデルマウスに移植して免疫系を改変し、難聴を予防する方法を考えた。本研究により、老人性難聴予防の基盤を確立し、健康寿命を延長する戦略の開発につなげる。
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研究実績の概要 |
高齢者の人口は増加しているが、加齢性難聴の予防法はいまだ確立していない。早期老化・老人性難聴モデルマウスSAMP1を用いた加齢性難聴の予防は、将来的に臨床応用できる可能性がある。 2023年度は当科研費1年目にあたる。SAMP1は5か月齢から難聴が進行するため、研究計画では、難聴発症前の4か月齢から定期的な胸腺移植や骨髄移植を行い、レシピエントが12か月齢となった時点で2か月齢、5か月のSAMP1とともにアッセイを行う予定であった。そのため、レシピエントとなるSAMP1を購入、飼育し、経時的な聴力検査(聴性脳幹反応:ABR)を行った。ドナーとなるSAMP1を購入し、同系胎児胸腺の移植や同系若齢骨髄の移植を定期的に行った。レシピエントが12か月齢になった時点で、全マウスのABR、リンパ球増殖能検査、リンパ球のフローサイトメトリー、血清採取、蝸牛や脳、肝臓、胸腺、胎児胸腺が移植された腎臓の組織採取などを行った。 結果について、リンパ球増殖能検査では12か月齢ネガティブコントロール群のバックグラウンドが高かったためか、胸腺移植群、骨髄移植群、胸腺移植骨髄移植群と2か月齢、5か月齢、12か月齢いずれとも有意差を認めなかった。しかし、ABRでは2か月齢、5か月齢、12か月齢で認められる加齢性の聴力低下が、胸腺移植群、骨髄移植群、それら両方を行った群で有意に抑制されており、予想した結果であった。 その他、組織学的検討などは現在実験を進めている最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの飼育を開始し、アッセイに至るまでに10か月がかかる。2023年度は予定通りマウスに胸腺移植や骨髄移植を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、血清のNO assay、腎被膜下の胸腺組織の生着確認、蝸牛の組織学的検討、固形臓器の老化細胞染色、qPCRでの炎症関連遺伝子の検索を行う。また、日本耳科学会(10月)での学会発表を行う。
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