研究課題/領域番号 |
23K09002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 航 東北大学, 大学病院, 助教 (20646442)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ミトコンドリア移植 / iPS細胞由来網膜神経節細胞 / 難治性視神経疾患 / 難治性視神経症 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性遺伝性視神経症の代表疾患であるミトコンドリア関連視神経疾患(常染色体優性視神経萎縮症(autosomal dominant optic atrophy: ADOA)及びレーベル遺伝性神経症(Leber’s hereditary optic neuropathy: LHON))に対しては有効な治療法が存在しない。ゲノム編集ツールによる遺伝子偏編集技術は日々進歩しているが、編集効率の問題点などからまだまだ臨床応用には時間がかかる可能性が高い。そこで本研究では異常ミトコンドリアに注目し正常ミトコンドリア移植による新規治療法の開発に挑戦する。
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研究実績の概要 |
緑内障を代表とする視神経障害の原因としてミトコンドリア機能不全が考えられている。網膜神経節細胞障害とミトコンドリアの関連を調べるために、遺伝性視神経委縮症の1つである常染色体優性視神経萎縮症(autosomal dominant optic atrophy: ADOA)患者由来のiPS細胞(ADOA-iPS)を樹立し、さらに原因遺伝子であるOPA1遺伝子変異をゲノム編集で修復したiPS細胞を樹立した。それぞれのiPS細胞を既存の方法を用いて立体網膜組織へ分化誘導し、その神経突起を電顕で観察した。ADOA-iPS由来網膜組織の神経突起では神経浮腫と分裂したミトコンドリアの増加を認めるのに対して、遺伝子変異を修復したADOA-iPS由来網膜組織では神経浮腫の改善及び融合したミトコンドリアの増加を認めており、網膜神経節細胞の神経突起である視神経の委縮にミトコンドリアの異常が関連していることが示唆された。ミトコンドリアの状態をライブイメージングで観察するため理化学研究所から購入した正常コントロールのiPS細胞に対してミトコンドリア特異的蛍光発現マーカー(Mitochondria-GFP)を遺伝子導入した細胞株を作製した。このiPS細胞を立体網膜組織へ分化誘導し、その内層に網膜神経節細胞マーカーの発現を確認した。 現在この網膜組織からミトコンドリアをストレスフリーに単離する方法について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
患者由来のiPS細胞作製が患者都合により滞っているため
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今後の研究の推進方策 |
ミトコンドリアを蛍光標識した網膜組織からミトコンドリアを単離する方が良いか、それともiPS細胞自体から単離する方が良いかについて検討を進めており、良い方をミトコンドリア移植の方法として採用する方針である。また単離する方法に関しても出来るだけストレスフリーに単離出来る方法を検討している。
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