研究課題/領域番号 |
23K09011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高橋 枝里 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (60622602)
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研究分担者 |
井上 俊洋 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (00317025)
藤本 智和 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (50756426)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 緑内障 / 毛様体 / 線維柱帯細胞 / エキソソーム / 房水 |
研究開始時の研究の概要 |
緑内障は眼圧依存性に視野障害を来す疾患で、眼圧下降が現在唯一の治療戦略である。眼圧の制御には房水循環の機序の解明と、その機序に基づいた効果的な眼圧下降薬の開発が必要である。本研究は細胞間情報伝達物質であるエキソソームに注目し、房水中のエキソソームを解析し緑内障特異的なエキソソームmiRNAを同定し、エキソソームとエキソソームmiRNAの線維柱帯細胞への役割を解明することで、新たなバイオマーカーの可能性や新規治療の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
まず予定していた開放隅角緑内障特異的ExomiRの同定であるが、倫理委員会承認の上、開放隅角緑内障の房水サンプルからエキソソームmiRNAを抽出しRNA-seqを施行した結果、緑内障眼に特異的なmiRNAが3種類同定された。個々の房水エキソソームにもこのmiRNAが含まれることをPCRにて確認した。 つぎに、房水中のエキソソーム分泌に関連する細胞、POAG特異的Exo-miRに関連する細胞や刺激の同定であるが、ヒト毛様体無色素上皮細胞の培養上清、ヒトマイクログリアの培養上清からエキソソームを抽出し、PCRを施行した。その結果、ヒト毛様体無色素上皮細胞、ヒトマイクログリア由来エキソソームどちらにも緑内障房水エキソソームに含まれていたmiRNAが含まれいてることがわかった。各種刺激でマイクログリアのエキソソームのmiRNA量が変化するかを検討したが、増加または減少される刺激の発見には至らなかった。 つぎに、エキソソームの線維柱帯細胞への影響の検討であるが、miRNA mimic、miRNA inhibitorを作成し線維柱帯細胞へ導入しウエスタンブロッティングを行い間葉系マーカー、上皮系マーカーなどの検討を行った。しかし、結果がばらつき特定の作用を同定するには至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
それぞれの房水サンプルでも緑内障特異的miRNAの発現を認めた。緑内障特異的miRNA分泌に関連する細胞はマイクログリア、毛様体無色素上皮細胞のいずれも関係するという結果を得た。エキソソームmiRNA mimic、エキソソームmiRNA inhibitorを作成し、同定したmiRNAの作用をヒト毛様体無色素上皮細胞、ヒト線維柱帯細胞に導入し作用を検討した。しかし、結果がばらつき、作用の評価が困難だったが、おおむね計画通りに進行していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
miRNAのin vitroの評価に、現在はmiRNAを封入したエキソソームを作成して作用を検討中である。さらに、眼圧への作用を評価するためにアメリカのラボにてヒトドナー眼の灌流実験で検討予定で、今はブタ灌流実験にてmiRNAの灌流濃度の予備実験を行っている。
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