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ぶどう膜悪性黒色腫の急所MDM4, PKCを同時に標的とする新規治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K09020
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56060:眼科学関連
研究機関山形大学

研究代表者

冨樫 敬太  山形大学, 医学部, 助教 (80810796)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードぶどう膜悪性黒色腫 / CEP1347 / MDM4 / PKC / p53 / 新規治療薬開発 / アンメット・メディカル・ニーズ
研究開始時の研究の概要

ぶどう膜悪性黒色腫(uveal melanoma: UM)ではMDM4ならびにMAPKとその上流に位置するPKCが増殖制御において重要な役割を持つことがこれまでに報告されている。
そこで本研究ではこれらの鍵分子に着目し、MDM4およびPKCを効率的に抑制できる薬剤の探索と同時に候補薬剤がUMの増殖を抑制するか、特にin vivoの前臨床モデルにおいて抗腫瘍効果を発揮するかにつき検討を行う。加えて候補薬剤のUMにおける作用機序についても分子レベルでの解明を試みる。これらを通じ、UMに対する安全な新規治療薬の開発につなげる医学的にも社会的にも意義のある研究を行うことを計画している。

研究実績の概要

ぶどう膜悪性黒色腫(uveal melanoma; UM)は眼内局所再発や遠隔転移が見られる進行例に対する有効な治療薬が現状存在せず、新規治療薬が切望されている。これまでに我々はパーキンソン病治療薬として開発された、Mixed lineage kinaseに対する阻害薬CEP1347が、p53遺伝子が野生型かつp53抑制因子の一つであるmurine double minute 4 (MDM4)が高発現している(=p53WT/MDM4highである)網膜芽細胞腫およびUMに対して、MDM4発現抑制を介してp53の活性化を促しその細胞増殖を抑制することを明らかにしてきた。この一方、90%を超えるUMにおいてGNAQ/GNA11の活性型変異が認められ、その下流のPKC-MAPK経路の活性化がUMの発症や遠隔転移に関与すると考えられているが、現在もなおPKC経路を抑制可能な薬剤は臨床応用に至っていない。この様な背景の中我々は本年度、CEP1347がUMに対して、MDM4の発現抑制だけでなく、PKC経路も不活性化していること、さらにこのPKC抑制はMDM4抑制非依存的であることを複数のUM細胞株を用いて見出した。加えて、MDM4抑制もしくはPKC抑制の一方のみでは、p53の活性化および増殖阻害は不十分であったが、両者を併用させることでより増殖抑制・細胞死が誘導されることを明らかにした。これらの結果を踏まえ、CEP1347はMDM4とPKCを二重に標的とすることが可能なUMに対する有望な標的薬候補として論文発表するに至った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

申請時点で得られていた予備的知見を更に発展させ、複数のUM細胞株を用いて、CEP1347がPKC経路をも不活性化すること、このPKCの不活性化にはMDM4抑制は非依存的であること、MDM4抑制とPKC抑制の併用がより効果的にp53経路の活性化を誘導することで増殖抑制を示すことを明らかにし、国際論文に発表することができた。以上の研究活動を総合的に判断すると、非常に順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

現在、CEP1347のUM治療薬としての有効性を検証するために、ヌードマウスを用いた動物実験を進めつつある。CEP1347の投与条件・方法は既に確立済みなので、UM細胞の移植条件の検討から行っている。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] CEP-1347 Dually Targets MDM4 and PKC to Activate p53 and Inhibit the Growth of Uveal Melanoma Cells2023

    • 著者名/発表者名
      Togashi Keita、Suzuki Shuhei、Mitobe Yuta、Nakagawa-Saito Yurika、Sugai Asuka、Takenouchi Senri、Sugimoto Masahiko、Kitanaka Chifumi、Okada Masashi
    • 雑誌名

      Cancers

      巻: 16 号: 1 ページ: 118-118

    • DOI

      10.3390/cancers16010118

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Antagonizing MDM2 Overexpression Induced by MDM4 Inhibitor CEP-1347 Effectively Reactivates Wild-Type p53 in Malignant Brain Tumor Cells2023

    • 著者名/発表者名
      Mitobe Yuta、Suzuki Shuhei、Nakagawa-Saito Yurika、Togashi Keita、Sugai Asuka、Sonoda Yukihiko、Kitanaka Chifumi、Okada Masashi
    • 雑誌名

      Cancers

      巻: 15 号: 17 ページ: 4326-4326

    • DOI

      10.3390/cancers15174326

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Domatinostat Targets the FOXM1?Survivin Axis to Reduce the Viability of Ovarian Cancer Cells Alone and in Combination with Chemotherapeutic Agents2023

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa-Saito Yurika、Mitobe Yuta、Suzuki Shuhei、Togashi Keita、Sugai Asuka、Kitanaka Chifumi、Okada Masashi
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 号: 13 ページ: 10817-10817

    • DOI

      10.3390/ijms241310817

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 脂漏性角化症を契機に発見された早期眼瞼印鑑細胞癌の1例2023

    • 著者名/発表者名
      冨樫 敬太, 樺澤 崇允, 赤羽 梢, 安達 功武, 金子 優, 高村 浩 , 海野 裕一郎 , 二口 充, 杦本 昌彦
    • 学会等名
      第77回日本臨床眼科学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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