研究課題/領域番号 |
23K09066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
井上 真 杏林大学, 医学部, 教授 (20232556)
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研究分担者 |
厚東 隆志 杏林大学, 医学部, 准教授 (60464814)
慶野 博 杏林大学, 医学部, 教授 (90328211)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 眼球運動 / 眼内液 / 硝子体手術 / 強膜内固定 / 前眼部光干渉断層計 / 前眼部OCT / 前房水 / 硝子体液 / 慣性モーメント |
研究開始時の研究の概要 |
生体では眼球運動による眼内の眼房水の観察を行う事が困難である。前眼部光干渉断層計(OCT)を用いると前眼部の光学的断面を連続で撮像することができる。内眼手術を受けた際には水分量が増加するため、眼球運動による慣性モーメントの影響を受けやすくなる。そこで眼球運動から静止する前後での虹彩の動揺を連続して記録することで眼房水の動態を検討する。またヒト型モデル眼を用いて同様の検討を行い、前眼部OCTによる結果がin vitroでも確認されるかを検証する。また培養虹彩上皮細胞において培養皿を振動させて房水循環を模擬し、サイトカインの発現に変化が起こるかを検討する。
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研究実績の概要 |
白内障眼、白内障術後眼、白内障手術併用硝子体同時手術後眼、硝子体手術併用眼内レンズ強膜内固定術後眼における眼内液の液体動態を前眼部光干渉断層計(OCT)で観察した症例を蓄積している。現在では合計約40症例であり、眼内液の液体動態について解析の準備を勧めている。解析については白内障手術の影響、硝子体手術の影響、水晶体嚢の有無での硝子体手術眼での眼内液の液体動態の検討を予定している。眼内レンズ強膜内固定術後に生じる虹彩捕獲を治療する方法として、虹彩と眼内レンズの間に橋渡し縫合を行うことを報告したが論文が掲載された(Inoue M, et al. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 2023 Feb;261(2):427-434)。橋渡し縫合を行った症例についても症例の収集を行っている。 ヒト型モデル眼による眼内液の液体動態の観察においては、透明モデル眼が完成したが類似眼球運動を行わせるために動力部分を作成中である。模擬眼に眼球運動をさせることで、眼球の前方と後方の眼内液の液体動態の観察を予定している。またヒト型モデル眼は眼内レンズの有無、水晶体嚢の有無を再現できるようにしているため、解析には眼内レンズの有無、水晶体嚢の有無での比較を行う。 ヒト虹彩上皮細胞での眼球運動による房水循環を模擬した眼内液の水平方向の前後運動を行わせて、Genechipマイクロアレイを使用して炎症性サイトカインを含めた網羅的な遺伝子発現を解析する実験では、ヒト虹彩上皮細胞の安定した培養を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね予定通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
白内障眼、白内障術後眼、白内障手術併用硝子体同時手術後眼、硝子体手術併用眼内レンズ強膜内固定術後眼における眼内液の液体動態を前眼部光干渉断層計(OCT)で観察した症例を蓄積している。現在では合計約40症例であるが、それぞれ30症例のデータ蓄積を予定している。解析については白内障手術の影響、硝子体手術の影響、水晶体嚢の有無での硝子体手術眼での眼内液の液体動態の検討を行う予定である。眼内レンズ強膜内固定術後に生じる虹彩捕獲を治療する方法として、虹彩と眼内レンズの間に橋渡し縫合を行うことを報告したが、橋渡し縫合を行った症例についても症例の収集を行っている。 ヒト型モデル眼による眼内液の液体動態の観察においては、透明モデル眼が完成した。眼球運動に類似した運動を行わせるため動力部分を作成中である。模擬眼に眼球運動をさせることで、眼球の前方と後方の眼内液の液体動態の観察を予定している。 ヒト虹彩上皮細胞での炎症性サイトカインを含めた網羅的な遺伝子発現を解析する実験では、ヒト虹彩上皮細胞の安定した培養を行っている。今後は眼球運動による房水循環を模擬した眼内液の水平方向の前後運動を行わせて、Genechipマイクロアレイによる解析を行う予定である。
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