研究課題/領域番号 |
23K09072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石川 耕資 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60791374)
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研究分担者 |
山本 有平 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70271674)
舟山 恵美 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (10533630)
前田 拓 北海道大学, 大学病院, 講師 (80813542)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 血管奇形 / 静脈奇形 / 動静脈奇形 / 脈管奇形 / PI3K/AKT/mTORシグナル伝達経路 / MAPKシグナル伝達経路 / 遺伝子変異解析 / リキッドバイオプシー / 遺伝子診断 / 遺伝子変異 / 個別化医療 |
研究開始時の研究の概要 |
脈管奇形症例の臨床・画像所見を調査し、症例レジストリを行う。対象症例のホルマリン固定パラフィン包埋組織を用いて、PI3K/AKT/mTOR経路およびRAS/MAPK経路のリン酸化されたタンパク質の局在を明らかにする。対象症例の血液およびホルマリン固定パラフィン包埋組織を用いて、PI3K/AKT/mTOR経路およびRAS/MAPK経路の遺伝子変異を包括的に解析する。血中の遊離DNAからでも、病変のパラフィン包埋組織と同じ遺伝子変異を検出可能か明らかにする。
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研究実績の概要 |
脈管奇形は、局所的な脈管形成異常により生じた先天性の病変で、病変を構成する脈管の種類により、静脈奇形、動静脈奇形、毛細血管奇形、リンパ管奇形およびそれらの混合型脈管奇形に分類される。近年、脈管奇形の原因遺伝子同定が進み、シロリムスなどの分子標的薬による薬物療法が報告されている。しかし、これらの薬物療法を行うには、ターゲットとなる低発現頻度の遺伝子変異を確認することが望ましい。これまでの遺伝子変異解析は、主に凍結組織を用いて行われてきたが、生検や手術という侵襲的な介入が必要である。近年、微量検体の分析技術の進歩により、がん領域では唾液や尿、血液をサンプルとして遊離DNAなどのバイオマーカーを対象とするリキッドバイオプシーが行われるようになってきた。 そこで、このリキッドバイオプシーの技術を形成外科が治療の主体となる脈管奇形の遺伝子診断へ応用すべく、本研究を立案した。脈管奇形の患者の血液をサンプルとして、リキッドバイオプシーを行うことにより、既知もしくは未知の遺伝子変異を検出することを本研究の目的とした。本研究によって、リキッドバイオプシーによる遺伝子診断の方法が確立されれば、今後の個別化医療への架け橋となることが期待できる。 初年度は、二施設での共同研究体制を構築し、症例レジストリを開始した。対象者から研究同意説明文書の取得を開始し、遊離DNA抽出用採血管を用いて採血を行い、DNA抽出の条件を検討した。次年度以降、症例を増やして血液からの遊離DNA抽出を行い、次世代シーケンサーを用いた遺伝子変異解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、対象となる動静脈奇形、静脈奇形、混合型脈管奇形の症例レジストリを行い、対象者から研究同意説明文書の取得を開始した。同意を得られた2例から遊離DNA抽出用採血管を用いて採血を行い、DNA抽出の条件を検討し、DNAの品質評価を行った。解析対象とする遺伝子を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降、計40例を目標に血液からの遊離DNA抽出を行い、次世代シーケンサーを用いてPI3K/AKT/mTORシグナル伝達経路およびMAPKシグナル伝達経路の遺伝子変異解析を行う予定である。
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