研究課題/領域番号 |
23K09078
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
上田 美怜 神戸大学, 医学研究科, 助教 (80973700)
|
研究分担者 |
野村 正 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (30529566)
榊原 俊介 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (50444592)
寺師 浩人 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (80217421)
後村 大祐 神戸大学, 医学部附属病院国際がん医療・研究センター, 特命助教 (80825737)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | リンパ浮腫 / リンパ節移植 / リンパ管新生 / 分割リンパ節移植 |
研究開始時の研究の概要 |
重症リンパ浮腫や難治性リンパ浮腫に対して、遊離血管付きリンパ節移植の有効性が報告されている。一方でNon-vasculizedなリンパ節移植においても、リンパ節が生着しリンパ管が新生することが報告されており、リンパ節断片も生着してリンパ組織が再生すると報告されている。このことから、リンパ節を分割して移植することで、低侵襲に複数ヵ所にリンパ流を新生することが可能ではないかと考え、そのメカニズムや方法の確立を目的とする。
|
研究実績の概要 |
分割リンパ節移植における機序やリンパ管新生のメカニズムについて述べた研究は、我々が渉猟しうるかぎり認めない。GFP発現ラットとNudeラットを用いることで、リンパ管の新生やリンパ流の改善に寄与した細胞がドナーから由来するのか、既存の患部組織からか由来するのか、あるいはその両方なのかを解明できるのではないかと考えた。本研究課題では遊離分割リンパ節の生着、リンパ管新生を促進するかを確認することで遊離分割リンパ節移植のメカニズムを解明し、そしてその方法を確立させることを目的としている。 本年度は研究を開始するにあたり、動物実験計画書および遺伝子実験計画書の作成を行った。後者については遺伝子組換え動物実験を行うため、必要であった。これにより神戸大学において動物実験および遺伝子実験に関する承認を得た。次に情報収集を行いながら実験計画を立てた。 具体的には、まず、リンパ浮腫Nudeラットモデルの作成方法の確立とGFP発現ラットからのリンパ節の摘出、分割方法の確立に努めた。またリンパ節の移植方法、部位、位置の確認について行った。Nudeラット及びGFPラットを購入し動物実験施設で飼育する。リンパ浮腫モデルの作成として、パテントブルーをNudeラット後肢足背に皮下注射し、染色された鼠径リンパ節を郭清した後に、同部位にシリコンスプリントを留置して縫合固定し浮腫モデルを作成する。リンパ浮腫モデル作成後、6週後経過後にGFPラットの分割したリンパ節を移植する。GFP発現ラットより鼠径部あるいは腹部のリンパ節を採取し、これをリンパ節被膜を含め分割する。分割した1片をNudeラットリンパ浮腫モデルの患肢鼠径部(皮下と大伏在静脈上)と下腿に移植する。シャム手術群は同部位の切開のみとする。手術方法、管理方法の確立を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
糖物実験計画書および遺伝子実験計画書の承認に数回の改定を要し、また、リンパ浮腫ヌードラットの飼育管理方法、GFPラットのリンパ節採取、移植方法の確立に検討を要した。
|
今後の研究の推進方策 |
まず、通常のnormal ratを用いてリンパ節の局在および採取方法を確立する。次にこのマッピングをもとに、GFPラットよりリンパ節を採取する。採取されたリンパ節の大きさに応じて半切したもの、ないしはそのままヌードラットに移植する。移植後、1か月、3か月、6ヶ月時点でリンパ節移植後のヌードラットリンパ浮腫モデル患肢にインドシアニングリーンおよびパテントブルーを皮下注射し、PDEカメラを用いてリンパ流について検討を行う。またリンパ節移植部を切開し、直視的にパテントブルーによって染色されたリンパ流を確認する。実験後、リンパ節および周囲組織を一塊に摘出し、HE染色およびLyve-1などによりリンパ管の染色を行いながら組織学的検討を行う。また、GFPを蛍光顕微鏡により検出する。これにより、リンパ管新生の有無、新生リンパ管の由来(レシピエント由来やドナー由来か)について検証する。
|