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老化細胞制御による創面の免疫機構の正常化:バイオフィルムを除去する新規治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K09083
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56070:形成外科学関連
研究機関札幌医科大学

研究代表者

上田 直弘  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00972879)

研究分担者 北 愛里紗  札幌医科大学, 医学部, 助教 (20642185)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードバイオフィルム / 細胞老化 / SASP / 創傷治癒 / 難治性潰瘍 / 免疫 / 老化細胞
研究開始時の研究の概要

難治性潰瘍は治療抵抗性の創傷であり、治癒に長期間を要する。バイオフィルムが増悪因子であり、バイオフィルム除去を目的とした治療が標準的である。我々は、難治性皮膚潰瘍に存在する老化細胞が慢性炎症の要因であり、組織の免疫力低下を招いている点に着目した。
本研究は、創面の老化細胞を量的・質的にコントロールすることで組織の免疫機構を正常化し、バイオフィルムの抑制・除去を促進し、創傷を治癒させることを目的としている。既存のバイオフィルム除去方法とは全く異なるアプローチであり、既存の抗バイオフィルム製剤との併用による相乗効果も期待される。

研究実績の概要

難治性皮膚潰瘍とは、通常4週間以上経過しても治癒が困難な治療抵抗性の創傷と定義される。日本では120万人以上の患者数と推定され、肥満・糖尿病患者の増加や高齢化に伴って今後さらに増加することが予測される。
治療が難渋する原因の一つとして、創面に形成されるバイオフィルムが挙げられる。バイオフィルムは、細菌や細菌が自ら作り出す粘着性の物質で形成された構造物で、抗菌薬抵抗性で除去が困難である。内毒素を産生し、TNF-αやIL-6等の炎症性サイトカインを誘発する。さらに、難治性潰瘍部の線維芽細胞には細胞老化が生じていることが知られている。老化細胞からは様々なサイトイカインが放出され、局所の炎症をさらに高めていると考える。バイオフィルムと細胞老化がそれぞれ異なるメカニズムで慢性炎症を引き起こし、その相乗効果により治癒がさらに遷延化する可能性があると我々は考えている。
本研究では、細胞老化を制御することで、組織の免疫機構を正常化し、バイオフィルムの抑制・除去を目指す革新的なアプローチの開発を目指している。
本年度は、ヒト組織を収集し、難治性皮膚潰瘍とバイオフィルムとの関連、またバイオフィルムと細胞老化の関係性を組織学的に評価する予定であった。しかし、現段階ではサンプル数が不足しており、統計学的な解析には至っていない。サンプル収集と並行して、公共データベースより難治性潰瘍やバイオフィルムを有する感染創に関するsingle cell RNA-seqのデータをピックアップし、バイオインフォマティクスの手法を用いて細胞老化や免疫学的な観点から再解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ヒト組織の収集が想定よりも進んでおらず、統計学的な解析が可能なサンプル数に達していない。

今後の研究の推進方策

次年度もヒト組織の収集を行い、サンプル数の増加を目指す。
またそれに並行して、公共データベースを活用し、バイオインフォマティクスの手法を用いて、細胞老化とバイオフィルムに関する治療ターゲットとなる遺伝子の同定を目指す。また、ターゲット遺伝子の同定後に、その遺伝子発現をマウスのバイオフィルムモデルで評価していく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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