研究課題/領域番号 |
23K09122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
三浦 裕仁 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (80353936)
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研究分担者 |
小柳 江梨子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (20791700)
原田 秀逸 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (60128452)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 味蕾 / 細胞死 / ターンオーバー / 味覚 |
研究開始時の研究の概要 |
味覚が障害されると食欲が減退しQOLは大きく低下する。超高齢社会となった日本では、食による健康維持のために、味覚を正常に維持する意義は大きい。味受容器である味蕾の細胞は上皮由来で、古くなった細胞は新しく生まれた細胞で置き換えられる(ターンオーバー)。味蕾の機能には、細胞新生と細胞死の正常な進行が重要である。近年、細菌やウイルスの感染によって味蕾で細胞死が生じる仕組みが明らかになってきた。しかし、正常な味蕾で進行する細胞死の詳細は不明である。本研究は、古くなった味蕾細胞が機能を失い、細胞死を迎える過程の解明を目的とする。得られる知見は味覚障害の原因解明や治療法・予防法開発に役立つと期待される。
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研究実績の概要 |
味受容器である味蕾は 50 - 100 個の細胞で構成されている。この細胞は平均すると 10 - 14 日でターンオーバーしており、味蕾の構造と機能は細胞供給と細胞死のバランスによって維持されている。機能的に成熟した味蕾細胞は、形態的特徴から I, II, III 型の3種類の細胞型に分類されている。私たちは、味蕾前駆細胞の解析を進めて、細胞の増殖・分化誘導因子である Sonic hedgehog (Shh)を発現する味蕾基底細胞が、味蕾の I, II, III 型すべての細胞型が分化することを明らかにした。さらに、個々の味蕾に含まれる II 型細胞と III 型細胞の数を詳細に解析して、味蕾細胞のターンオーバーにおいて細胞供給と細胞死のバランスが比較的大きく変動している可能性を示した。近年、味蕾の細胞分化を制御する転写因子の解明も進められており、味蕾細胞のターンオーバーにおける細胞の供給に関する知見が蓄積してきている。また、細菌・ウイルス感染や抗がん剤によって味蕾内に細胞死が誘導されるメカニズムの解明も進められている。しかし、味蕾細胞の正常なターンオーバーにおける味蕾細胞の老化や細胞死に関する知見は十分とは言えない。 本年度は、ホールマウント免疫染色法を用いて、味蕾の細胞死の検出法の確立を目指した。さまざまな細胞死マーカーのうち、Cleaved Caspase3を安定して検出可能になった。味蕾細胞の形態が維持されている段階から、粒子状に細かくなったシグナルまでを検出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Cleaved Caspase 3のホールマウント免疫染色によって味蕾の細胞死を安定して検出する方法を確立した。細胞型マーカーと同時検出を試みたところ、Cleaved Caspase 3 陽性細胞で、細胞型マーカーを検出できるのはごく一部の細胞であった。残念ながら、大部分では細胞型マーカーを検出できず、現在、細胞死の特異性の解析を進める方法を検討しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
今後、さらに細胞死マーカーの検出法の検討を進めて、特異性の解析法を確立する。また、遺伝子改変マウスを用いて細胞死の解析を進める計画である。
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