• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

口内炎治癒に対する鉄代謝と酸化ストレスの役割

研究課題

研究課題/領域番号 23K09130
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分57010:常態系口腔科学関連
研究機関日本大学

研究代表者

人見 涼露  日本大学, 歯学部, 講師 (70548924)

研究分担者 篠田 雅路  日本大学, 歯学部, 教授 (20362238)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード口内炎 / 創傷治癒 / 潰瘍性口内炎
研究開始時の研究の概要

近年、鉄代謝を介した活性酸素種が各種炎症疾患の治癒を調節することが明らかになった。鉄代謝はヘプシジンタンパク質によって制御されており、細胞死に大きく関与している。また、鉄は細菌を含む生命の維持に必須の金属であり、鉄の欠乏は抗菌作用を促す。我々は以前、口腔粘膜組織が破壊され潰瘍を形成する口内炎モデルラットにおいて、潰瘍部の口腔細菌が口内炎治癒を調節することを明らかにした。さらに、同モデルの口内炎部でヘプシジンが増加することを報告した。本研究では、鉄代謝と酸化ストレスによる口内炎の治癒調節機構を明らかにする。

研究実績の概要

近年、鉄代謝を介した活性酸素種(reactive oxygen species; ROS) が各種炎症疾患の治癒を調節することが明らかになった。鉄代謝はヘプシジンタンパク質によって制御されており、フェロトーシスと呼ばれる細胞死に大きく関与している。また、鉄は細菌を含む生命の維持に必須の金属であり、鉄の欠乏は抗菌作用を促す。以前、我々は口腔粘膜の組織が破壊され潰瘍を形成する口内炎モデルラットでは、潰瘍部に侵入する口腔細菌が口内炎の治癒を調節していることを明らかにした。また、同モデルの口内炎部でヘプシジンが増加することを既に見出している。
そこで本研究では、ヘプシジンを介した鉄代謝と酸化ストレスによる口内炎の治癒調節機構を明らかにすることを目的としている。令和5年度は、口内炎モデルラットを作製し、口内炎の治癒までの過程を免疫組織学的、行動学的に評価した。また、治癒が遅れるモデルとして唾液腺を摘出した口腔乾燥モデルを作製し、同様に治癒までの過程を解析したところ、通常5日程度で治癒する口内炎は10日程度遅れて治癒が観察された。また、治癒過程におけるヘプシジンの発現変化を経日的に確認した。令和6年度はヘプシジンの有無による口内炎治癒過程への影響を調べるとともに、口内炎部の活性酸素種に関しても検討していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和5年度は、口内炎モデルラットを作製し、口内炎の治癒までの過程を免疫組織学的、行動学的に評価した。また、治癒が遅れるモデルとして唾液腺を摘出した口腔乾燥モデルを作製し、同様に治癒までの過程を解析したところ、通常5日程度で治癒する口内炎は10日程度遅れて治癒が観察された。また、治癒過程におけるヘプシジンの発現変化を経日的に確認した。
尚、口腔ケラチノサイトを用いた実験は、細胞培養の過程で、うまく育たないなど問題が生じたため、令和6年度に再度行う予定としている。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、口内炎の治癒にヘプシジンや活性酸素種がどのように関与しているのかを調べていく。具体的には、口内炎部組織におけるヘプシジンの発現を免疫組織化学的に解析する。また、口内炎モデルと治癒が遅延する口腔乾燥モデルラットの口内炎部に毎日ヘプシジンを塗布することによって口内炎の治癒遅延が改善するかどうかを調べていく。これによりヘプシジンの存在が治癒を促進または遅延させるのかどうかが分かる。尚、ヘプシジンの中和抗体や受容体の拮抗薬は非常に高価なため使用しない。また、口内炎の治癒に酸化ストレスが関与しているのか調べるために、活性酸素種消去薬を口内炎部に投与して治癒への効果を調べる予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Analgesic effect of linalool odor on oral ulcerative mucositis-induced pain in rats2024

    • 著者名/発表者名
      Iida Masato、Hitomi Suzuro、Hayashi Yoshinori、Shibuta Ikuko、Tsuboi Yoshiyuki、Ueda Koichiro、Iwata Koichi、Shinoda Masamichi
    • 雑誌名

      Brain Research Bulletin

      巻: 206 ページ: 110844-110844

    • DOI

      10.1016/j.brainresbull.2023.110844

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Involvement of oxidative stress in orofacial mechanical pain hypersensitivity following neonatal maternal separation in rats2023

    • 著者名/発表者名
      Soma Chihiro、Hitomi Suzuro、Oshima Eri、Hayashi Yoshinori、Soma Kumi、Shibuta Ikuko、Tsuboi Yoshiyuki、Shirakawa Tetsuo、Kikuiri Takashi、Iwata Koichi、Shinoda Masamichi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 号: 1 ページ: 22760-22760

    • DOI

      10.1038/s41598-023-50116-1

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 口腔乾燥モデルラットの増悪口内炎治癒過程に対するhepcidinの関与2023

    • 著者名/発表者名
      田口 直渡,人見 涼露,篠田 雅路
    • 学会等名
      第65回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ラット口内炎に対する唾液hepcidinの治癒促進効果2023

    • 著者名/発表者名
      田口 直渡,人見 涼露,大島 絵莉,佐藤 仁,篠田 雅路
    • 学会等名
      第28回日本口腔顔面痛学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi