研究課題/領域番号 |
23K09136
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前田 隆史 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (80324789)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | CTRP3 / C1QTNF3 / 肝臓 / アミノ酸代謝 / 絶食 / Cartducin / 受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
Cartducin(カートデューシン)はC1q/TNF-related protein 3 (CTRP3)ともよばれており、研究代表者らが軟骨前駆細胞から同定した分泌タンパク質である。近年、炎症性関節疾患や代謝性疾患などにも関わる生理活性物質として、その多彩な作用が明らかになってきた。CTRP3/Cartducinはさまざまな細胞において、増殖や分化などを調節することが知られているが、その受容体は未だ見つかっていない。液性因子であるCTRP3/Cartducinの生理的・病態学的意義を深く理解するためには詳細な作用メカニズムの解明が重要であり、受容体の同定が必要不可欠である。
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研究実績の概要 |
Cartducin(カートデューシン)はC1q/TNF-related protein 3 (CTRP3)ともよばれており、新たなカテゴリーである「C1q/TNFファミリー」に属する。研究代表者は、絶食させたCartducinノックアウトマウスの肝臓では野生型マウスに比べて20種類のアミノ酸中10種類のアミノ酸の濃度が有意に減少していることをメタボローム解析を用いて明らかにした。令和5年度は、この「Cartducinが絶食時における肝臓でのアミノ酸代謝にも関わっている」という当初予期していなかった事象について研究を進めた。絶食時における肝臓内のアミノ酸量は、タンパク質がオートファジーによって分解されて生じるアミノ酸と、アミノ酸代謝酵素によって代謝されるアミノ酸とのバランスにより変動することが知られている。そこで、まずはじめにオートファジー関連遺伝子(Sesn2、Trp53inp1、Ulk1)の発現量を比較検討したところ、ノックアウトマウスの肝臓では野生型マウスのそれと比べていくつかの遺伝子の発現が有意に増加していることが明らかになった。一方、20時間絶食時においてCartducinノックアウトマウス肝臓内での濃度減少が見られた10種類のアミノ酸のうち、セリンとスレオニンについてそれぞれの代謝酵素遺伝子(セリン脱水酵素、スレオニン脱水素酵素)の発現量を比較検討したところ、ノックアウトマウスと野生型マウスの両群間において両遺伝子の発現に違いは見られなかった。ノックアウトマウスではアミノ酸量の減少が見られたことから、「オートファジーの抑制」、「アミノ酸代謝の促進」が予想されたが、得られた結果は異なるものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は、「Cartducinが絶食時における肝臓でのアミノ酸代謝にも関わっている」という当初予期していなかった事象について研究を進めたため、当初の計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度得られた成果からも、肝細胞表面にはCartducin受容体が発現していると考えられる。これらを手がかりにしてCartducinの受容体分子の探索を予定している。また、肝臓でのアミノ酸代謝に関わるCartducinの作用メカニズムについても、他のアミノ酸代謝酵素について検討するなどして、さらに研究を進める予定である。
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